FRBの意向をくむ形で9月利上げ説が高まる中で、週初からフィッシャー(FRB副議長)発言で、インフレ率の低さが再び話題に。ただし、(インタビューゆえに質疑応答形式の)発言内容を前後の文脈から把握するに、利上げ着手時の波乱回避のためのバランスをとる目的もあったのかとも・・・・。
・・・で今週は米小売売上高に注目と昨日書こうと思っていたら、突然の中国の為替政策の変更。ドタバタしていて更新できず。
人民元の切り下げとは、各種景気押し上げ策も手詰まり状態で、ついにと思わせる展開ではある。
中国人民銀行は、人民元の対ドルレートの基準値となる中間値を毎日設定し、その上下2%までの変動を認める管理通貨制度を取っている。
昨日は実質切り下げに際し声明で、基準値の設定は前日終値を参照する方式に移行するとして、昨日の大幅な動きは「一度限り」としていた。
そこで注目された本日の動き。発表された中心レートは6.3306元。昨日の終値から0.1%低い水準につき確かに声明どおり。しかし中心レートの比較では前日からは1.6%の引き下げとなる。結局、こういう動きを繰り返しながら思う水準に落とし込もうという方針のようだ。
しかしこの政策、目先の奥の手という感じで中国もそこまで追い込まれたかという印象を与えるものでもある。おまけに元安政策の反対側でドル高は進む。米利上げでここまで痛めつけられてきたコモディティ市場には、泣きっ面に蜂状態。
ついにWTI原油は、今年3月17日の安値を切りナイメックスの終値ベースで43.08ドルと6年半ぶりの安値。このタイミングで7月のOPEC加盟国の原油生産量が約3年ぶり高水準に増えていたことも判明。この原油安が、結局、最初のフィッシャー発言に戻ることになる。
出来るときに早く手を打たないと、利上げできなくなるのでは・・・との思いはFRB関係者がここまで抱いて来た思いでもあるだろう。次々に降りかかる難題。金市場はショートカバーの連鎖。