亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

超長期金利過去最低更新中・・・・自作自演のバブルの生成と崩壊

2016年04月20日 23時50分53秒 | 金融市場の話題
長期金利つまり10年国債の利回りがマイナスに転じて久しい。もう2ヵ月以上は経っただろうか。今ではすっかり常態化(当たり前の世界)しており、過去最低の更新を続けている。

国債がマイナス利回りということは、額面金額を超えて相場が上昇していることを意味する。つまり、買って償還(満期)まで持てば損をする。額面価格以上の高値で買ったものが、額面金額で返ってくるからだ。その間にもらえる利息を考慮しても、損をするというのが“マイナス利回り”ということ。

損をするものをなぜ買うのかというと、転売して値上がり益を手にできるから。

では、そんな最後までもてば損をするようなものを一体誰が買うのか?それは、2%の物価目標達成まで買い続けるとしている日銀だ。ならば、そんな高値の国債をどんどん買いつける日銀は先行きどうするつもりなんだ?

そうした疑問を日銀にすると、その答えは、いまだ政策の途上にある段階でそのような出口戦略の話は時期尚早というものらしい。つまり、いまの日銀のやっていることに疑問を持たれること自体が、目標達成の阻害要因になるので、出口は語れないということのようだ。

しかし、この政策には限界がある。日銀の国債の持ち分が発行額の半分以上を占める状態になれば、誰もが警戒感を前面に出すだろうし、日銀もこの政策の見通しに対する説明責任を問われることになるからだ。いまは2%の目標達成は2017年前半などと答えていれば交わせるが、1年はあっというまに過ぎる。

自ら作った額面を越えた上昇という国債バブル。購入縮小いわゆるテーパリンング(量的緩和策の段階的縮小)の方針表明が、バブル崩壊の引き金を引くことになる自己矛盾。おそろしい。。。

本日も年金や保険会社など長期の運用者が、利回りのあるもの(プラスのもの)を買い漁った結果、新発20年債、30年債、40年債の各利回りが過去最低水準を更新したとのこと。プラスの利回りとなっているものに、それだけで資金が集まっているらしい。新発40年物8回債利回りは0.30%だと。

本日も黒田総裁は、「物価安定目標達成のために必要なら追加緩和を行う姿勢をあらためて示した」と伝えられている。

国内の信託銀行が金ETFの持ち分を増やしている状況が、5月の中旬には明らかになるのではと思って見ているのだが、果たしてどうなるか。

明日は、日経CNBCテレビ 夕刻5時からの生放送、「デリバティブ・マーケット」出演です。

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