亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

約10年ぶりの安値のプラチナ

2018年07月03日 17時39分16秒 | 金市場
週明け7月2日のNY金は、心理的な節目の価格1250ドルを割り込み、一時は1240.60ドルまで売り込まれることになった。この下にはチャート上の節目となる昨年12月12日の取引時間中に記録した(ザラバの)安値1238.30ドルがあり、市場参加者の多くが意識する水準が近づいて来た。本日3日の東京時間の午後2時半頃には1238.90ドルまで売られたものの、そこから切り替えし、かろうじて維持。5時過ぎの時点で1245ドル近辺で推移中となっている。

本日のNY市場は、独立記念日前日の半日立ち会いにて取引は薄い模様。もっとも、先週30日土曜日から4日まで休みという向きも少なくないので、今週前半は薄商いの中で値が飛びやすいといえる。貴金属の中では、週明けの取引にてプラチナの下げが目立った。先週末比で44.30ドル安の813.40ドルの引け、安値は811.10ドル。直近の安値となっていた2016年1月の終値ベース819.20ドル、取引時間中の安値811.40ドルをそれぞれ下回ることに。本日アジアの時間帯には800ドルに接近し、2008年12月以来の安値となった。1日の下げ幅が拡大したのは、取引の薄いところにややまとまった売りが出たのだろう。

プラチナについては、ここでファンドのポジションがネットで売り越しになっていることを取りあげたが、先週末のCFTC(米商品先物取引委員会)のデータでは、さらに拡大していることが判明。もっとも、金と違い小さな市場ゆえ、その数量も重量換算で10トンほどに過ぎないが、これでも14年ぶりのこと。

相場に上振れ、下振れはつきもので、「振り子」のイメージ。振り子は行きたいところまで行かないと、戻ってこない。その過程で買われ過ぎ、売られ過ぎ状態が起きる。プラチナに関しては、ヂーゼルエンジンの触媒という将来すっぽり抜け落ちる需要の塊への意識があり、価格形成上、構造的なものを含んでいることから、これをどう捉えるかで判断が分かれる。単純に相場のリズムとしては、売られ過ぎということになる。


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