亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

カザフスタン中央銀行がゴールド売却計画を発表

2025年01月20日 20時10分25秒 | 金市場

NY金は、先週末17日に一時2757.90ドルまで上昇、前日の高値を更新した。

来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、18日以降金融政策に関連する発言を控えるブラックアウト期間入りを前にした16日のウォラーFRB理事のかなりハト派的な発言は相応の意外感があり価格を押し上げた。

インフレと労働市場の動向次第では0.25%の利下げが今年最大3~4回あり得るとも述べた。年初から多くのFRB高官の発言が続いたが、いずれもインフレ再燃を警戒し、利下げに慎重姿勢を示すものだっただけに、ある種サプライズと言えた。債券市場が読む利下げ予想(Fed Watch)ではこれまで次回利下げは年内後半と予想されていたが、発言を受け6月のFOMCの確立が70%近くに上昇した。

同理事はトランプ次期大統領に指名され理事に就任した経緯があるが、政治性を感じさせたのは否めない。

 

このNY金の上昇で国内大阪取引所の金先物価格JPX金も1万3700円台まで上昇。先週は一時1万3764円まで買われたが、これは24年10月31日に付けた過去最高値1万3819円に55円ほどのところまで接近する水準でもある。気が付けば最高値接近という展開だった。現物の店頭小売価格は10%の消費税込みで表されるが、こちらも一時1万5000円まで上昇した(15日)。

 

さて、先週は17日に中央銀行による「売り」の話があった。

中央アジアの産金国カザフスタン共和国の中央銀行が保有金の一部を売却する計画を発表。通貨Tengeが、ここに来て対ドルで過去最安値まで下落したことで(過去2カ月で6%下落)通貨防衛の資金調達を目的に、年間約60億ドル相当分を売却するというもの。

計画では四半期ごとに均等に売却予定としている。

カザフスタンは中央アジアの産金国として知られ、年間約65トンの生産量とされる。旧ソ連邦から独立したロシア友好国で、ウクライナに関連するロシア金融経済制裁の影響を受けているとみられる。

発表によると24年末で外貨準備の半分をやや上回る238億ドル分の金準備を保有しているとされる。今後毎月5億ドル分を売却する計画で今週から着手するとされる。

 

その価格への影響はどうかというと、ほぼないだろう。

なぜなら24年の金の国際取引量は1日平均で2000億ドルを超えているからだ。毎月5億ドルはわけなく吸収されるだろう。ちなみにカザフスタンは売り買い双方の行動で以前から知られるところ。

 

さて今週はトランプ大統領令がどうなるか。

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