マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

家族の思い

2011年09月28日 19時50分24秒 | 自然医食のお手当て 掌(しょう)のコース
今日の食養相談は、肺病の方のご相談でした。

ご本人はもう83歳となり、
無何有庵まで来れる状態ではないとのことで
娘さんがこられました。


15年前に大腸がんになられて、
今でも毎日便秘薬を常用なさっておられるのですが、
昨年7月に肺気腫と診断されました。
この夏くらいから腫瘍マーカーが上昇傾向にあり、肺がんの疑いがあります。
気管支の不調、嚥下力の低下、咳、と咳のため肋間神経痛が出て痛み止めを服用。

このところはジュースをコップ半杯程度の食欲で、摂食低下の上に座薬、浣腸などの下剤で便通コントロールをされているため、体重・体力ともに低下して、病院での受診が出来ないとのことでした。


大腸から肺への転移はお決まりのコースです。
この後は脳への転移などへ移行することが多いようです。


今回は、ご本人よりもご家族、特に娘さんのケアが必要でした。

彼女は、もともと松見歯科の患者さまですが、
数年前に鬱になられ、ほとんど回復されていますが、
何かの引き金によって後戻りすることが充分考えられました。


ご自身が大変だった時に、きっとお父様やお母様がココロの支えとなられたのでしょう。
彼女のお父様への思いは相当大きなものでした。
それだけに、喪失に着実に向かっている現実を受け止めるのが
とてもお辛そうで、涙の相談となりました。

ご本人もご家族も、年齢的に手術などの医療介入を望んではおらず、
また、医者からも見放された状態でしたので、
マクロビオティックの考え方に基づいた内服のお手当、外用のお手当、食事についてのお話となりました。

玄米クリーム、玄心、生姜シップ、さといもパスター、枇杷の葉の温シップ、生姜油、三井式温熱療法、呼吸法、などなど痛みや進行を押さえる方法はまだまだあることをお伝えいたしました。

しかし、何と言ってもお歳がお歳だけに、食欲と体力の回復が臨めなければとても難しいケースです。

まずは、死を覚悟をしてほしいこと。
そして、残された家族がやり残した気持ちがないようにできることをしっかりとされること。
病気はご本人が作られたものであり、家族には責任がないこと。
人は必ずいつか死ぬこと。
などをお話いたしました。

涙の娘さんにこんなことをお話するのはとても酷なことですが、
ここをしっかり乗り越えなくては、ご本人の意思とは別にご家族の思いだけで自然療法に取り組むのはとても大変なことです。

仮に少し病状が上向いたとしても
何カ月、何年、余命を伸ばせるでしょうか?

そう遠くない未来に、必ず別離が訪れるのです。
亡くなるその直前に、ご本人がご家族に感謝の気持ちを持ち
幸せに亡くなるようなアプローチが必要です。

そして、それは当事者である家族が思い、考え、
そして成し遂げることです。

わたしに出来ることは
そのきっかけくらいのものです。

どうか、幸せな最期をメイキングしてほしいものです。

一日でも長く家族の時間が残されることを祈り、マクロビオティック医学がお役に立てることを願っております。





















































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