リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

forScore 14.0.3

2023年05月21日 20時21分52秒 | 音楽系
iPadで楽譜を見るためのアプリ、forScoreがバージョンアップしていました。昨年12月のコンサートの直前に同アプリが新版をダウンロードして使ったらバグがあって本番はヒヤヒヤだったこともあるので、今回もバージョンアップしようか少し迷いました。

アップストアのサイトを見ますとアイコンも始めて違うデザインになっているし、前のバージョンの13.7(だったかな)から半年ちょっとでかなり進んだので、今回は大丈夫だろうと勝手に判断してインストールしました。

結果は、13.7 の問題点はひとつを除きバグフィックスされていました。来週のコンサートでは安心して使えそうです。

半年前のバージョンの問題点は、iPadを2枚使うデュアルページモードにすると、何度かサスペンションモードにしてアプリを閉じるとその次に起動するときデュアルページモードが解除されてしまうというバグがありました。それを回避するには、それぞれのiPadを再起動させる必要がありました。

デュアルページモードはCueというアプリと一緒に使うのですが、それもバージョンアップされていることもあり、問題点は解消されていました。もっともずっと前のバージョンではこのようなバグはなかったのですが。

あと場合によってはページめくりの速度がガクッと落ちて実用に耐えないときもありました。これも再起動で問題はなくなるのですが、いちいち再起動していたのではたまりませんでした。今回のバージョンアップでその問題もなくなりました。

ひとつだけ解決されていないのが、横置きにした場合に右ページだけ小さいままというバグ。これも実はずっと以前のバージョンではちゃんと問題なく両ページが大きくなっていました。iPad2枚を横に置いて使うというのが稀なんでしょうか、これはバグフィックスの対象から外れています。ベンダーにはこのことを言ったのですが。ヴァイスのドレスデン版は横で見た方が大きくなって読みやすいんですよね。

のみの綴り

2023年05月20日 21時50分48秒 | 日々のこと
駐車場のアスファルトのすきまから小さい草が生えています。



画面右下は私の足の先です。あまり上手く写っていませんが、白い小さな花が咲いています。大きさは直径5ミリくらいでしょうか。

植物の種類を調べるアプリがありますが、そのアプリから写真を撮って調べてみると、「のみの綴り」という植物だということが分かりました。蚤が着るような小さい「綴り」=端切れを継ぎ合わせた粗末な着物、という意味です。

件のアプリにはアップの写真が出ていました。



とても小さい花ですから撮るのが少し難しいと思います。でもこんなに小さくてもちゃんと花として植物としての主張があるのに驚かされます。こうしてアップで見ると意外と細かい毛が葉っぱに付いているように見えます。ひと花ちぎって一輪挿しに挿しておきました。


フリックとQWERTY

2023年05月19日 15時22分15秒 | 日々のこと
iPhone8からiPhone14に乗り替えてかれこれ3週間になりますが、サイズが少し大きくなった割には重量は20g程度の増なので以前と比べても違和感なくズボンのポケットに収まっています。

画面サイズが大きくなったので文字が見やすくなったのはありがたいことです。ローガンですので小さい文字は苦手になってきましたから。それと処理速度が大幅アップなのもうれしい点です。まぁ6年も前の品と比べているのであらゆる点で進化を感じるのは当然と言えば当然です。

iPhone14になって、日本語の入力をフリック式からQWERTYに替えてみました。デスクトップは一般的なキーボードを使っているので当然QWERTYですが、スマホのQWERTYキーボードは物理キーボードでないうえに幅が小さいのでとても誤入力が多くなるので仕方なくフリックでやっていました。

フリックにもそれなりに慣れましたが、いくつかの方向(左右上下)に指をはねたり、押したままだったり、要するにいろんな動作がありすぎて、QWERTYに若い頃から慣れ親しんでいる身にはものすごく抵抗感があります。QWERTYキーボードなら指の動作は押す動作のみです。まぁこれも慣れの問題なんでしょうけど。

iPhone8からiPhone14に替わったことによる、QWERTYキーボード幅の増加はほんの少しですが、それでもかなり誤入力が減りました。このちょっとの増加は結構意味があるものなんですね。もちろん10本の指を使うわけではなく親指2本打ちです。フリック式だといまだにアカサタナ・・・の位置を意識しなければなりませんが、今はQWERTYでキーの位置を全く意識せずに入力できるので頭がとても楽です。

合成樹脂フレット

2023年05月18日 15時39分10秒 | 音楽系
イタリアの弦メーカーアキラが出している合成樹脂フレットを巻いてみました。

YouTubeでアキラ製合成樹脂フレットを巻くビデオクリップを見ましたら、コマ結びをして締めて、仕上げ?にもう一重結ぶという、普通に考えたら緩んでくるやり方でフレットを結べばオーケーという触れ込みでした。

ホンマかいなと思ったので何本か注文してみました。モノが昨日届きましたので早速巻いてみたわけです。実は私のバロックリュート(Lars Jönnson作)の9フレットは少し問題を抱えています。

多くのバロックリュートの9フレットはボディの干渉があって結構カチっとフレットを巻くのが難しいところです。位置がずれないようにネックに少し溝を切ってそこにフレットを入れ込むというふうにしている場合が多いと思います。私の楽器もそうなっているのですが、Larsが溝の切る位置を間違えて、音程が少し低い位置(ナット寄り)に切ってしまったので、私が自分で正しい位置の溝を切りました。ということで2つ溝が出来てしまいました。

フレットを私が切った正しい位置にあげていくのには、前の溝を通過しないといけません。これがなかなか難しく、きつく締めると一つ目の間違った位置の溝から出して正しい位置に持っていくのは容易ではありません。というかガットは余り伸びないのでほぼ不可能です。ですからゆるめに一旦締めて、ひとつめの溝を通過して2つ目の溝に入れ込むということをやっていますが、これだと緩くてフレットの両端が浮いてしまいます。仕方がないのでバス弦側に爪楊枝を挟み込むというちょっとみっともないことをしていますが、それでもまだ気持ち端が浮いている感じがします。

この9フレットをアキラの合成樹脂フレットに変えてみました。




ちゃんと2つ目の溝にはまっています。合成樹脂は伸びるので、1つ目の溝を乗り越えてくれます。

YouTubeのやり方できちんと締まりました。合成樹脂フレットは伸びるし、適度にひっかかるので上手くいくもんなんですねぇ。でも心配なので両端は切ったあと少し焼いておきました。合成樹脂は高温でトロトロに溶けるのでガットみたいにうまくタマは作れませんが。

これで味をしめたので、1コースもやってみました。1.2ミリです。9コースは細い0.85ミリなので上手くいったのでしょう、太い1.2ミリでは同じ方法では締めることができませんでした。旧来の方法でもうまくいかず、結局Toroのフレットガットを巻きました。合成樹脂フレットも上手な巻き方があるのでしょうけど、まぁわざわざそんな方法を研究する必要もないでしょうから、とりあえず「9フレット問題」が片付いただけでもよしとしましょう。

ジム先生の発表会

2023年05月17日 16時25分24秒 | 音楽系
ロサンジェルス近郊(100km以上は離れていますが)でチェロを教えているジム先生の教室の発表会が開催されました。私がアレンジした曲を演奏してくれるということで、昨年の夏の終わり頃に楽譜を送りました。曲は映画パイレーツ・オブ・カリビアンから「彼こそが海賊」とジブリのアニメ作品より「となりのトトロ」の2曲の編曲を提供しました。

となりのトトロ

パートは4つありますが、そこそこ難しいパートもありますので、初心者の子(最前列の子たち)は参加していません。バックのリズムを刻むのは結構難しいかなと思いましたが、ほとんど崩れず半年近くかけた成果が出ていますね。アレンジャーとしてはセカンドパートがも王少し前に出ているともっとよかったかなと思いました。

実は曲のエンディングで、各パートの子が「トットロー」と歌いながら演奏するように指示しておいたんですが、皆さん恥ずかしがってこれはボツになったようです。(笑)

連休中から読んだ本

2023年05月16日 13時40分45秒 | 日々のこと
連休中から先週末にかけて3冊本を読みました。

まず佐々木譲「闇の聖域」。佐々木譲はもう20年来のファンですが、どうも直木賞をもらってからはいわゆる警察小説ばかりになっていて、以前の第2次大戦の頃が舞台の「ベルリン飛行指令」とか幕末の「武揚伝」みたいな時代性あふれるスケールの大きな小説は減ってきたように思えます。「闇の聖域」は旧満州が舞台になっているというので、もしやと思い読んでみました。

でも読み始めてみてがっかり。やっぱり警察が出てきます。でもまぁ旧満州の都市描写の雰囲気はまずまずでしたが、なんか展開がだらだらしていて、しかも後半のエンディングは超人が出てきてもうファンタジーの世界。ちょっとがっかりでした。筆力がおちたのでしょうかねぇ。

次に宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」。これはKindleで読みました。この小説はライトノベルという感じの軽い乗りですが、滋賀県の大津市を舞台に成瀬という女の子を中心にした5話の短編連作です。徹底的にローカルな話満載で、もし私が大津市に住んでいたら何度も読み返すだろうなというくらい大津愛にあふれた作品です。とても軽快に話が進みますので皮膚科(イボ焼き)の待ち時間なんかでほとんど読んでしまいました。大津の人がうらやましいです。

3冊目は松本清張の「点と線」。若い頃読んだことがありましたが、昔読んだ本は字が小さすぎて読みにくいので新しく買いました。読み始めるとさすが大家松本清張、冒頭からぐいぐい弾き込まれていきます。展開はもうほとんど忘れてしまっているので新しい小説を読んでいるみたいです。この小説にも刑事は出てきますので警察小説とも言えますが、上述の「闇の聖域」とはことなり刑事の人物がしっかりと描かれています。あと興味深かったのは小説の舞台となった頃の時代性です。何度か出てくるたばこを吸うシーン、新幹線がまだなかった時代の鉄道、今ならアウトになることばなど小説が書かれた1950年代の時代性にあふれ懐かしさとともに引きつけられました。50年くらい前に読んだときは、まだ小説が発表されてから10年経つか経たないかのころでしたので、時代性というのは感じませんでしたが、こうして今読んでみると日本も60年で随分変わったものだと思うと同時に半世紀以上たっても全く色あせない作品だなと思いました。

the Lady Cliftonはどういう人ですか(6)

2023年05月15日 21時55分40秒 | 音楽系
次に没年を訪ねてみました。

When did the Lady Clifton die?

そのお返事がこちら:

The exact date of Lady Clifton’s death is not clear, but it seems that she died sometime before 1627. This is because her husband, Sir Gervase Clifton, remarried in that year to Lady Frances Clifford, the daughter of Francis Clifford, 4th Earl of Cumberland1. Lady Clifton had six children with Sir Gervase, one of whom was Margaret Clifton, who later married John Holles, 2nd Earl of Clare2.


はっきりとは分かっていないとはいうものの、結構有力な手がかりが得られました。1627年の少し前に亡くなったというらしいのです。その理由は夫のジャーヴェス・クリフトンが1627年にレディ・フランセス・クリフォードという女性と再婚したということです。浮気をして離婚、再婚という可能性もありますので、確定的ではないですが。

でもこの情報ホンマかいな?ちょっと疑問がわいてきたのでBingが参照したというサイトを見てみましたら、先代か先々代のジャーヴェス・クリフトンのことが書いてありました。ということはBingが適当に作った?やはりソースがブラックボックスなものは信用できません。

the Lady Cliftonはどういう人ですか(5)

2023年05月14日 22時53分47秒 | 音楽系
さてジャーヴェス・クリフトンと結婚したキャサリン、後に夫が騎士になった際にレディ・クリフトンになったわけですが、今度はBingで英語で質問してみました。


Who is the Lady Clifton, apperared in VARIETIE OF LUTE-lessons by Robert Dowland?

日本語ではさっぱりでしたが、やはり英語で尋ねると結構ちゃんとした答えが返ってきました。それがこちら:


Lady Clifton was a noblewoman who lived in England in the late 16th and early 17th century. She was the wife of Sir Gervase Clifton, a knight and politician who served as a member of parliament and a sheriff. Lady Clifton was also a patron of music and arts, and she had a close relationship with Robert Dowland, the son of the famous lutenist and composer John Dowland. Robert Dowland dedicated a galliard to her in his collection of lute music called Varietie of Lute-Lessons, published in 1610. The galliard is titled The Right Honourable, the Lady Cliftons Sprit12. It is a lively and elegant piece that reflects Lady Clifton’s personality and spirit. ママ


レディ・クリフトンは、16世紀後半から17世紀初めにかけてイングランドに住んでいた貴族女性でした。彼女は騎士であり政治家であるジャーヴェース・クリフトン卿の妻で、議員や州知事としての職務を務めていました。また、レディ・クリフトンは音楽や芸術のパトロンでもあり、有名なリュート奏者で作曲家のジョン・ダウランドの息子であるロバート・ダウランドと密接な関係を持っていました。ロバート・ダウランドは、1610年に出版されたリュート音楽のコレクションである「とりどりのリュート曲撰」に彼女に献呈した「ガリアード」があります。この曲は「The Right Honourable, the Lady Cliftons Spirit」と題され、レディ・クリフトンの個性と精神を反映した、活気に満ちた優雅な曲です。


前半はなかなかインフォーマティブです。後半は私が目を通した資料は参照していない部分があり単純に「ガリヤード」をロバートの作曲としていますが、それ以外は概ねきちんとまとまってはいます。でもthe Lady Cliftons Spiritがthe Lady Cliftons Sprit12になっています。このSprit12ってなんなんでしょう?訳ではきちんと直しておきましたけど。

the Lady Cliftonはどういう人ですか(4)

2023年05月13日 17時42分13秒 | 音楽系
イギリスリュート協会出版のファクシミリ版Dd.2.11(ケンブリッジ大学図書館)の解説には同写本の成立は1588年頃~1600年頃の間としています。その理由のひとつとしてあげているのが、写本に出てくるエドワード・ピアースという人の役職です。写本の曲では「王室教会堂のエドワード・ピアース」という名前が出てきます。1600年に彼が王室教会堂の職を離れたということが別の資料で知られていますので、少なくとも1600年を超えてから同曲が成立したということはあり得ません。また別の研究者は、同写本の成立はもっと前の時期を推定しています。

101フォリオ(ページでいうとその倍)が綴じられており、曲数は324曲を数える大写本はそれなりの時間をかけて成立したはずです。真ん中を少し越えた58枚目のフォリオ書かれている「ジョン・ダウランド作曲キャサリン・ダーシーの御心」が筆写されたのは、1590年代前半まででしょう。作曲されたのはもちろんそれの何年か前ということになります。
一方ロバートが生まれたのが1591年頃だと言われています。(正確な年は分からないようです)なお亡くなった年は1641年以降、少なくとも1641年までは生きていたということで没年はっきりしていません。

写本の成立時期とロバートの生年を併せて考えてみると、写本の曲の方がオリジナル、作曲は明記されている通りジョンの作品であって、VARIETIE OF LUTE-lessonsにおける同一曲がそこに示されているようにロバートの作曲というのはまずあり得ないということになります。もしロバート作だとすると幼児が作曲したことになるでしょう。まぁ、5歳で作曲したモーツアルトの例もありますが・・・ロバートが生まれる前に作曲されたという可能性も充分あります。

バロック音楽の旅16発進!

2023年05月12日 17時22分20秒 | 音楽系
5月8日にくわな市民大学「市民企画講座」のプレゼンがありました。

今年の企画「バロック音楽の旅16」につての計画書はすでに4月の初めに提出しましたが、それについてプレゼンを行わなければならないということで、13時の集合時間に間に合うように、会場の桑名パブリックセンターにでかけました。



プレゼンの基本路線は昨年と同じですが、企画内容は異なりますのでそれについてとあと、少し緩和した感染対策についてお話させていただきました。持ち時間は5分でしたが、スマホのストップウォッチを見ながらしゃべりましたので、終了10秒前に終えることができました。

プレゼンをすれば全て「市民企画講座」に採用されるわけではないので、後日採用の可否の連絡を頂くことになっていましたが、それがやっと昨日届きました。ウチから桑名パブリックセンターまでは数百メートルしか離れていないのですが、どうしてこんなに日数がかかるんでしょうねぇ。確か市内なら翌日に届くといわれていましたが・・・そういえばセンターの担当の方も最近郵便事情が悪くて投函してから到着まで市内であっても4,5日かかるとおっしゃってました。

通知はめでたく「合格」でした。これからは民間のメディアなどを通じて宣伝に努めていく予定です。