リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

the Lady Cliftonはどういう人ですか(3)

2023年05月10日 17時23分33秒 | 音楽系
写本のフォリオ58rに件の曲があり、解説書の当該箇所を見てみました。音楽学者のラムスデン博士やポールトン氏の解説が引用されていました。要点をかいつまんでみますと、


・Dd.2.11の曲名はキャサリン・ダーシーの御心、作曲者はジョン・ダウランドである。

・キャサリン・ダーシーはジャーヴェス・クリフトンと結婚し、夫が1597年に騎士に叙せられるとレディー・クリフトンの称号を得た。


ということでした。キャサリン・ダーシー→レディー・クリフトンなんですね。Dd.2.11が編纂された頃はキャサリン・ダーシーでVARIETIE OF LUTE-lessons(1610)が出版された頃にはレディー・クリフトンだったわけです。

VARIETIE OF LUTE-lessonsでは件の曲はロバートになっていて、Dd.2.11における作曲者とは異なっています。ではこの曲はダウランド親子のどちらが書いたのでしょうか。これを詳しく調べていきましょう。