日本の山の行く末を案じて。

2009年02月20日 | 信州の木材
最近みんな感じていませんか。近くに商店がない不便を。さすがにすべてコンビニでという訳にもいきません。

 大型店が1店舗開店する度に、近在の商店が閉店していきました。さらに大きなショツピングセンターができると、中型店も大型店もおかしくなっていきました。
競争原理・市場主義・・・・と言って、それはもう当たり前のように考えられていました。

 しかしその結果・・・・みなさん幸せになれたでしょうか。

 夕方勤務を終えて・・・・あー今晩の夕飯に思いいたる時、10年前は帰り道に小さなスーパーがありました。困った時の「おさしみ頼み」とか言って、随分重宝させていただいていたのでしたが、ご他聞にもれずです。

 商店街に空き店舗・・・・・まったく同様ですが、車に乗れるうちはいいんですけど。

 最終的には消費者である私たちの責任でもあるのですが。

 なぜこんなことを言うのかといえば、それと同様なことが、日本の山事情に始まりそうだからです。・・・・いえそれはもう十分に始まっていて、末期状態のところにとどめをさすがのごとくとも言えるのかもしれません。

 木材も需要と供給で動いています。だから価格もそれに準じて動きます。当たり前のことですが。

 できることなら、地元の山の木を使いたい、これも当たり前のことです。
私は信念として、地元の唐松にこだわってきました。信州の山を守る、そんな意気込みで。でもすべてに唐松をとは思っていません。唐松には唐松の特性がありますので、土木用材として関東一円に出荷してきました。

 日本の山の現状は植林として手を加えた以上、あくまで手を加え続けなければならない運命なのです。補助金が投入されても、8割もが伐り捨て放置の現状が何十年も続いています。

 そんな状態であっても、日本の木材の輸入量は長いこと世界一位でした。
もちろん建築材に向くような、大径木は国内の需要にみあう程あるわけではありませんから、いたしかたないとしても。結局は安いからの輸入だと思うのです。

 つい先日、日本の最大手の会社が、新しい部門に参入するので話を聞きたいと見えました。アポの電話でその話を聞いたとき、私は絶句してしまいました。
そして深い悲しみと絶望を感じたのです。

 この会社は今までに日本中の幾つの製材工場を閉鎖に追い詰めてきた事でしょう。ほぼ日本中を制覇したといっても過言ではないと思います。
大きな施設は人も含めて、パイが縮少傾向に向かい始めた今、過剰となり新しい分野に進出する必要が生まれるのでしょう。

 その原料が輸入材だというのが、私の不安なのです。小さな工場でないだけに、そのボリュウムは国内の林業に大きく影響を与えるでしょう。そしてそれは地元の木を使って製造している製材業者を苦しめ廃業に押しやる事でしょう。

 そして日本の山の木は使われることなく、ただただ税金の投入を続けられながら、果てしなく朽ちていくのです。

 民有林は個人の持ち物でありながら、その環境は国民全体のものだと思うのです。

 以上、今は少々抽象的にしか書けませんが、ショツピングセンターと同じことが起きている山事情です。

 やれてもやらないことが必要なことって、あるのではないでしょうか。
私は話の中にその苦言も付け加えました。精一杯の抗議として。
それでも、企業としてはやるでしょう、というより、もう走り始めていました。
 私は日本の山の行く末を案じつ続けているのです。
                      依田 美恵子

    軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


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