TL431Aは「シャントレギュレータ」として一般的だが、データーシートの応用例を見ていて以前から気になっていたアンプとしての用途だ。ブロックダイヤを見るとOP-AMPに電流ブースターが付いた様なものだ。
光通信送受信機をサークルや遊び塾で製作しているが、音声信号を光の強弱に変える(AM変調)のに、低電圧オーディオ・パワーアンプとして一般的なLM386またはTDA2822Mを使って、スピーカー出力にLEDをつないで行っている(丁度、電源電圧の1/2になるのでバイアスが掛かる)。TL431を使用して負荷にLEDを直接接続出来れば、簡単にAM変調が出来るのではという発想で実験してみた。回路が簡単なので、作りやすかったが、またTL431Aを逆方向に実装してしまい、さらに電解コンデンサの極性も逆で悩んでしまい、動作するまで1時間弱掛かってしまった。
TL431Aは秋月で10個100円とOP-AMPよりずっと安い。
歪を最少に調整するため、レギュレーター電圧を可変するための抵抗に応用例では15kΩ+8.25kΩ 固定抵抗を100kΩ半固定抵抗に変更。直列抵抗の232Ωは100Ωに。電源電圧は5Vとした。入力信号はCR発振器を使用、10Hz~1MHzまで可変。 入力レベルは-50dBとかなり小さい。
歪が少ない(オシロ画面だけの判断だが)時のカソード電圧は2.7V、この時のREF電圧は2.47Vだった。
1kHz入力時のDC波形とAC波形が左の写真である。
AC波形のP-Pで1.28V、DC波形では谷の部分が2.14V、振幅が1.32Vだった。
シャント電圧を上げると+側がクリップしてくる。
矩形波入力でも確認してみたが、応答特性も良さそうだ。
消費電流は13.4mA
インピーダンスマッチングは行っていないので正確では無いが、300Hzから90kHzまではレベル差無し(但し、60kHz付近にピークが有り、この部分のレベルが少し盛り上がる)
LEDをどう繋ぐか、ゲインを可変出来ないか(負帰還をかける)は、今後の課題だが、可能性は出て来た。
オン・セミコンダクターのデーターシートでは「Simple 400 mW Phono Amplifier」の回路が載っていて面白い。