Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

祭囃子

2007年08月06日 | 東京
 しばらく東京に仕事の場を移す。羽田空港からリムジンバスで立川に降りると、昨日はちょうど年に一度の「立川よいと祭り」の日で、いつもより街は賑やかである。先月は祇園祭、8月の沖縄では現在エイサー一色、そして東京では着くなり祭礼とは、このところ祭りづいている。立川のこのまつりは、今年が19回目だそうで、とりわけ昔から行われているものではない。たぶん地域振興などで平成に入ってからは始まったものだろう。毎年続いている祭りであれば、今回の19回と平成19年はぴったり同じである。
 この祭りであるが、サブタイトルは「光と音のシンフォニー」である。私が見たのはまだ明るい時分だったので、「光」の部分はよくわからないが、立川の一部で行われていたお盆の「松明行事」を復活させたり、万灯みこしが繰り出したりするという、なかなか盛大なイベントが毎年行われているようだ。
 さて、私が気になるのは「音」の部分である。プログラムを見ると、立川市内を中心とした吹奏楽団、鼓笛隊、太鼓グループ、そして「よさこい系」のなるこ踊り、お囃子などがプログラムを埋めている。地域の新しいお祭りでは、西洋音楽系の吹奏楽は定番である。市内の学校とか、消防庁、自衛隊のグループが地域貢献などで参加することが多い。鼓笛隊もよくありがちだ。これは行列する西洋音楽系パフォーマンスである。さて日本の音楽では、まずは太鼓。現在は日本各地に存在する和太鼓系の組太鼓である。この芸能は戦後に確立したかなり新しい日本の芸能ジャンルである。そして「よさこい系」のなるこ踊り。これは高知の「よさこい」が、大学生などの活動から各地に広がり、全国展開を見せている。その点では、「和太鼓」も「よさこい」も北は北海道から、南は沖縄まで広がりを見せる「ジャパン・グローバル」な日本の芸能である。
 しかし、私がもっとも心を動かされるのはなんといってもお囃子である。江戸囃子の系統を組んだ祭囃子が私の育った多摩地区には多い。たくさんの囃子連があり、神社の祭礼のごとに演奏される。私の祭りの記憶は、囃子の音だ。祇園囃子もエイサーも、日本人としての自分の原風景なのだ、とは到底考えられない。東京からの距離は京都と沖縄ではかなり違うし、その響きもパフォーマンスも違うとしても、やはり私にとっては、ある意味、京都と沖縄の芸能は「わたしのもの」ではない。多摩のお囃子が演奏できるわけではない。しかし、それを聞くと「私の夏」がやってくる。そして昨日、私のある意味で「ほんとうの夏」が到来したのである。私の横に立って不思議そうにその演奏を聞く息子にはそんな私の気持ちはわかるまい。しかし私と違ってもそれでいい。季節の音を感じてくれる耳をもってくれればそれでいいのである。「彼の夏」は、エイサーの練習の音が街に響きはじめる7月の中旬には、すでに始まっているのだろう。