Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

奈良の鹿

2007年08月08日 | 
 9日に京都で仕事があることから、一日前に奈良を久しぶりに訪れた。観光定番の東大寺、正倉院、法隆寺を半日でまわる。夏の暑い時期のせいか、正倉院と法隆寺はほとんど観光客がいない。法隆寺の観光客は外国人の方が日本人観光客より多かったかもしれない。外国人が多いとなんだか海外の観光地に来ているような錯覚に陥る。
 奈良公園はあいかわらず鹿だらけだった。二千匹以上の鹿がいるらしい。見た目はとても愛らしいのだが、鹿せんべいを購入した瞬時、鹿たちは猛獣と化す。あの薄いせんべいをめがけで殺到し、たいがい子どもは、ウサギにキャベツの葉をあげるような気持ちで鹿せんべいを食べさそうとするのだが、怪しい目つきの鹿を前にしてせんべいの束をほうりなげて親元のところに半べそをかいて逃げてくるのである。鹿はなかなか危険な動物である。奈良公園のそばに住む住民達はきっと動物園にいっても鹿だけは見ないと思う。鹿の本性を知り尽くしている人間は、かわいこぶりっこをしている動物園の鹿をみても面白いはずがない。
 さて奈良のお土産であるが、ともかく鹿、鹿、鹿の鹿三昧である。鹿せんべいは、鹿の食べるせんべいの名称としての専売特許を得ているために、人間の買うおみやげの名称にはなっていないが、ともかく「鹿もの」は食べ物から飾り物までいっぱいある。特に目をひくのが、鹿のキーホルダー、飾りもの、ストラップなどなど、お土産屋の軒先には所狭しと「鹿もの」が吊り下げられたり、置かれたりしている。
 驚いたことに東大寺の回廊内のお土産屋にもそんな鹿のさまざまなお土産が売られている。回廊内は大仏という神聖な仏様を拝むために入場券を購入して入ることのできる場所で、わたしとしては「参道」とは一線を画していると考えている。しかも値段が外の参道の店より同じものでも少々高いのである。私は写真ビニール製の鹿がとても気に入ったのであるが、回廊内のものは100円高かった。なぜ入場券を買って入った東大寺の中の店の方が高いのか。東大寺の中で買ったという付加価値分が100円なのか、それともビニールの質が上等なのだろうか?結局、そんなことを考えているうちに買う気がうせてしまった。息子は息子で「まさか買わないよね。お父さん、冗談だよね」という。まだまだ「楽しいお土産」が息子には理解」できないようである。