今回の最も大きなミッションはトゥンジュク村に伝承される様式のワヤンを鑑賞することであった。私たちが上演するワヤンの上演スタイル、さらには音楽様式もすべてトゥンジュク村のものであり、私の勉強もすべてここから始まり、今なお続いている場所である。これが「修学旅行」のメインである。これがなかったら、「修学」にならないのだから。
上演はなんと、現在、トゥンジュク村のダランとして活動する三人のダラン(おじいさんから孫まで三代のダラン)が、長い演目をそれぞれ代わって上演するという方法でおこなわれた。この演目「タタワティ姫の婿選び」は、亡くなった私の先生がよく上演した演目で、この演目が始まると、一座一同、「今日は朝まで帰れない」とがっくり肩を落としたものだった。物語は複雑、かつ戦闘シーンは三回にわかれて行われ、それゆえ夜10時過ぎから始まるワヤンは、夜3時過ぎまで終わらないとわかっているからである。しかし、三人のダランが見せ場を作れるという点では、複数のダランで上演するには適した演目なのだ。
親族が三代で今なおワヤンを上演しているという村は、あまり聞いたことがない。今、ワヤンの依頼はとても少ない中、こうして若い世代が伝統的なワヤンを継承しているというのはすばらしいことだ。もちろん満足でき、たくさんの勉強ができた公演だった。他のミッションがこれと比べると、色あせて見えてしまうほどである。ワヤンの上演とバビ・グリンを食べることを比較すること自体、意味のないことだけれど。