社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「癌患者とのコミュニケーション」藤森麻衣子、内富庸介(2008)

2009-06-23 08:09:41 | 医学
『コンセンサス癌治療』VOL.7 NO.1

「悪い知らせ」をどのように患者に伝えるか…そのコミュニケーション方法について論じている。
「悪い知らせ」とは⇒「患者の将来への見通しを根底から否定的に変えてしまう知らせ」と定義されている。

わが国におけるインフォームドコンセントの解釈は、「説明と同意」とされることが多い。そのことについて、心の機能を表す「知情意」という言葉になぞらえて考え、「説明」を受けて「同意」に至る間に「情」が抜けている…と指摘している。医師は気持ちへの配慮も欠かせないとしている。


紹介されているコミュニケーション方法は、準備段階から今後についての話し合いまで「起承転結」でまとめられている。それらは「癌医療における効果的なコミュニケーション」として紹介されているが、必ずしも癌に限定されるものではなく、広く「対人援助」に通じるものであると感じた。
たとえば、「患者が相談や気がかりを話すように促す」や「患者に感情表出を促し、患者が感情を表出したら受け止める」はSWの教育としては浸透しているものである。
これまで医師の養成課程では、患者・家族へのコミュニケーション手法の教育が十分ではなかったという面がある。その反省を生かし、他領域の手法を「医師としてどう活用するか」に取り組んだものである印象を受けた。

コメント
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