『生命倫理』Vol.20 No.1 2010.9
看取り介護を実施している特別養護老人ホームを対象とし、郵送調査を実施。入居時の看取りに関する意向確認の実態を把握。浮かび上がった問題点及び、今後の課題を提示している。
引用
「アドバンス・ケア・プランニング」とは⇒意思決定能力の低下に備えて、当事者が受けたいケアについて医療者や家族と話し合い、あらかじめ意思決定しておくことであり、その対応プロセス全体を指している。
調査結果から…
・入居時の意向確認は高齢者や家族に対して76.2%の施設が実施
・意向確認実施者は、生活相談員、看護職の責任者、介護支援専門員、介護職の責任者など、多職種にわたっている
・入居時に意向が聞けない理由⇒①本人の判断能力がない、②信頼関係がない、③入居時に行う手続きが多いため、④施設における生活のイメージが構築されていないため
・意向を聞きにくい理由⇒①死について語ることへのタブー、②精神的ショックを与えるから、③看取りに関して高齢者、家族とも実感がないから、④施設への期待を損なうから、⑤トラブルになるから、⑥最期は病院搬送が当然との考えがあるから
実際に看取り介護を実施している施設を対象としているせいか、意向確認の実施率は高い印象を受けた。一方で、未だに「死」に関する教育(当事者、援助者ともに)が不十分がゆえに、意向確認へのとまどいが存在していることを痛感した。
本人の判断能力如何を問うのであるならば、やはり早期の看取りに関する教育が必要ということであろう。それが要介護認定を受けた時点なのか、定年退職を迎えた時期なのか、はたまた成人となった時なのか。どの時期が最適なのかは分からないが、本論文の著者が指摘しているように、「生」の延長に「死」があるという意識を持ってもらえるよう、まずは援助者が意識を持たねばならないであろう。
看取り介護を実施している特別養護老人ホームを対象とし、郵送調査を実施。入居時の看取りに関する意向確認の実態を把握。浮かび上がった問題点及び、今後の課題を提示している。
引用
「アドバンス・ケア・プランニング」とは⇒意思決定能力の低下に備えて、当事者が受けたいケアについて医療者や家族と話し合い、あらかじめ意思決定しておくことであり、その対応プロセス全体を指している。
調査結果から…
・入居時の意向確認は高齢者や家族に対して76.2%の施設が実施
・意向確認実施者は、生活相談員、看護職の責任者、介護支援専門員、介護職の責任者など、多職種にわたっている
・入居時に意向が聞けない理由⇒①本人の判断能力がない、②信頼関係がない、③入居時に行う手続きが多いため、④施設における生活のイメージが構築されていないため
・意向を聞きにくい理由⇒①死について語ることへのタブー、②精神的ショックを与えるから、③看取りに関して高齢者、家族とも実感がないから、④施設への期待を損なうから、⑤トラブルになるから、⑥最期は病院搬送が当然との考えがあるから
実際に看取り介護を実施している施設を対象としているせいか、意向確認の実施率は高い印象を受けた。一方で、未だに「死」に関する教育(当事者、援助者ともに)が不十分がゆえに、意向確認へのとまどいが存在していることを痛感した。
本人の判断能力如何を問うのであるならば、やはり早期の看取りに関する教育が必要ということであろう。それが要介護認定を受けた時点なのか、定年退職を迎えた時期なのか、はたまた成人となった時なのか。どの時期が最適なのかは分からないが、本論文の著者が指摘しているように、「生」の延長に「死」があるという意識を持ってもらえるよう、まずは援助者が意識を持たねばならないであろう。