社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

『緩和ケアで注目を集める「グリーフケア」とは何か』Care Net.comインタビューより…岩本喜久子

2010-12-24 20:57:52 | 社会福祉学
医療情報専門サイトからの引用。
米国でグリーフケアのトレーニングを受け、現在は札幌医科大学病院で実践及び研究をされている岩本氏へのインタビュー。
グリーフケアについて、グリーフケアにおけるソーシャルワーカーの役割について触れている。

引用
・グリーフケアは日常生活のリハビリ⇒悲しみに押しつぶされないで生活できるようになる。これが1つのリハビリ作業ではないかと思って、グリーフケアというより「リハビリ作業」と説明することがあります。

・アメリカの場合は、家族のケア、患者本人の心理的アセスメントなどを行うために、ソーシャルワーカーが各病棟に必ず配置されていて、その給与は医療保険のメディケアから出ています。また、医療従事者自身も、患者本人・家族の精神的な健康に喪失がいかに影響しているか、すごく理解しています。だからこそ、政府がソーシャルワーカーに支援しているのだと思います。

・(グリーフケアにおいて)私はソーシャルワーカーなので、役割的にもカウンセリングはしません。私は、その人の力を引き出すお手伝いだけをさせていただきたい。人それぞれが持っている潜在的な回復力、レジリエンスを信じて、それを引き出すこと。それがソーシャルワーカーの本来の役割だ、と思っています。



役割と業務内容、そして援助方法…これらの違いを整理し、グリーフケアにおけるソーシャルワーカーとは?を今一度理解しなおす必要があると痛感した。
ソーシャルワーカーのみならず、グリーフケアを実践に取り入れようとするひとたちは、「カウンセリング」を強調しているような節がある。それを提供できるからこそ「専門家」だという意見もある。
しかし岩本氏や「ソーシャルワーカーだからこそ行わない」と断言されている。これは職種毎の役割が整理され、各々の専門性が確立しているアメリカで教育、実践をされてきたからこその言葉であると感じた。

「ソーシャルワーカーだからこそ!」と声を上げ続けることで、日本においてもその必要性が浸透していくよう、邁進しなければいけないと感じた。
コメント
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