副題:支援相談員による支援記録の質的分析より
「ソーシャルワーク学会誌」第38号 15-26 2019
老健における支援相談員のソーシャルワークについて、支援の評価枠組みの作成方法を提示している。
分析によって導き出された評価枠組みも分かりやすく、活用しやすいが、
個人的には、分析材料として扱った支援記録を読むことで、
支援相談員の取り組みの有り様が目に浮かび、印象に残った。
引用
・老健の退所支援において家族とSWの視点が反映されたSWの評価枠組みとして、12の小カテゴリーと6つの大カテゴリーが抽出された。
・(小カテゴリーのなかで印象に残ったもの)
→「家族成員のバランスを図った決定」家族が本人の意向も汲み、家族の成員それぞれの事情などが考慮された決定であること
「介護態度の熟成」介護にあたって適応的な態度が家族の中で熟成されていること
「家族の許容範囲内の予測介護負担感」家族によって予測された老健退所後の介護負担が家族の負担範囲であること
老健は在宅復帰を目指した施設であることは言うまでもないが、社会や家族の事情から、すんなりと在宅介護に意向できるケースは
さほど多くはないであろう。そういった中で、様々な折り合いをつけながら、できる限り不公平さがないように、
在宅もしくは他施設に移行できるようにと尽力している様子が想像できる。在宅復帰率が高い=優秀な支援相談員ではないということを
多くの人に知ってもらいたいと思った。
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