副題:できるところから始める障害学生・教職員支援『大学図書館研究』108号
障害者差別解消法施行に伴い、大学図書館にもその順守義務が生じた。具体的にどのような取り組みが求められ、そして実現可能なのかを大学図書館の取り組みを通して紹介している。法律の説明を丁寧にし、それを読み解きながら実践に落とし込める方法を提示しているため、HOW TO本としても活用できる印象を受けた。
引用
・図書館利用に制限があるものは誰か(中略)
①入館する、②本を探す、③OPACで蔵書・文献検索、④書棚から書籍を選ぶ、⑤(閲覧席で)本を読む/学習室で勉強する/PCを利用する/AVブースでDVD等を視聴する、⑥本やAV教材等を借りる、⑦図書館司書に相談する、⑧退館する、などのアクセスに対して、相当な制限を受ける状態にある者
・(障壁を減らす取り組みに対して)事業者の人員・財政状況等を踏まえて…
「当事者を交えて」
「できることからすぐに始める」
図書館利用というと、段差解消や利用機器の制限というところまでは思いつくが、手に取る情報量にも差が出てくるというところまでは、リアルなものとしての発想が及ばなかった。
ハード面の解消のみでは解決しにくく、すべての人にとって、まったく障壁のない環境というのは存在しないであろう。だからこそ、人的サービスでカバーできるもの(他機関連携を含む)を活用し、その障壁を少しでも減らしていくことが必要なのだと感じた。
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