副題:A県介護老人福祉施設の介護長を対象としたインタビュー調査を通して 『介護福祉士』(2022.3)No.27
アクティブシニア介護助手雇用の効果と課題について、インタビュー調査を実施し、分析。分析方法としては、テキストマイニング分析を使用している。この分析結果を踏まえ、今後の方向性を明らかにしている。
*管理者注釈:テキストマイニング分析とは?(日経リサーチより引用)
テキストマイニングとは、文章を定量的に扱うための分析手法であり、アンケートの自由記述や、コールセンターへの問い合わせ内容、TwitterなどSNSでのクチコミ分析といった分野で活用されている。
引用
・アクティブシニア=定年後の元気な高齢者
・アクティブ介護助手の雇用は、多様な人材確保・育成の一つとして、また介護予防や働く機会の提供といった目的で進められている。
・アクティブシニア介護助手を雇用することによる効果と課題(管理者が一部中略、まとめ)
①アクティブシニア介護助手は、身体的な感覚が利用者に近く老いへ共感し、若い世代の職員にその感覚を伝えたこと。逆に年齢が利用者に近いが故に、専門的態度の課題があげられた。②多世代の職員による家族に近い関係が発生し、施設が家庭的な環境へと変化した。
・分業の効果を得るためには、介護職員とアクティブシニア介護助手の両者が介護の方向性や目的を一致できるような研修が大切になる。
介護は嫁の役割とされてきた時代を受けてか、介護職は依然として女性が多い印象を受ける。そして求人広告を見ても、介護助手は「家事の延長」というニュアンスの文句が多いように思う。敷居を下げるための広告であり、悪意はないことは承知している。しかし実際は、人員不足でバタバタと動き回る介護職員の様子をうかがいながら、利用者のコールや訴えにどの程度対応してもよいものか…そんなジレンマを抱えながら就労している人も少なくないと思う。
元気な高齢者が増えている。この現実をうまく活かし、人員不足に充当していこうとする方向性は間違ってはいない。しかしどの職種であってもそうであるが、職員同士が円滑に分業をしていくためには、その潤滑油となるべく、コーディネーター役が必要である。それが介護の長なのか、事務の長なのか、用務営繕の長なのか。それによっても、長期的に働くことを希望するアクティブシニア介護助手を増やすことにもつながると考えている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます