副題:介護職員初任者研修におけるアンケート調査分析
『社会福祉学』第61巻第4号
初任者研修受講者に対する質問紙調査を通して、介護職に従事しようと思った動機を調査、分析をしている。
引用(調査回答結果から)
・やりがいを重視する回答者と生計維持を重視する回答者は同程度となった。
・「若年層および中年層:生計維持重視」「若年層:やりがい重視」「高年層:やりがい重視」の三つの受講者像が明らかになった。
新型コロナウイルスの感染拡大の昨今、飲食業等からの転職者が増えているように感じる。慢性的な人手不足でありながらも、丁寧に教育を提供できる体制がないゆえに、離職率の高さは変わらずである。やりがいを求めて熱意をもって入職してくる人たちに対して、「背中を見て覚えろ」という姿勢でいる管理職が未だ存在していることに、個人的にとてもむなしい思いを抱いている今日このごろである。
「介護職は専門職である」ーその信念にもとづいて、介護福祉士の受験要件が変わり、職能団体の研修も多様なカリキュラムが用意されるようになった。賃金アップはすぐには難しいだろうが、「介護離職者をゼロにする」と唱える前に、介護離職者をゼロにするためにその担い手になる介護職に、光をあてる策をもっと具体的に示して欲しい。このような学術的な論文がその一助になるのだと、信じていきたい。
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