サブタイトル:生きる意味に焦点をあてた質的研究
「川崎医療福祉学会誌 Vol.25 No.1 」
介護を必要としている高齢者がどのようなスピリチュアルなテーマに直面しているのかについて、質的研究を行っている。
逐語録を通して、高齢者の声に触れることができ、ハッとさせられる部分があった。
引用
・「生きる意味に関する質的研究の結果、6つのカテゴリーが抽出された。
[人生の出来事を乗り越えてきた][ただ平凡に人間らしく生きる][超越的なものとつながる]
[死に思いを馳せる][有限な存在として生きる][責任を果たして生きる]
・高齢者は、有限な存在として全人的な痛み(中略)を負っている。高齢者は日常生活を[有限な存在として生きる]。そこで病気や苦しみの意味を問い。過去の出来事への悔い、親しいもの(家族)との死別([死に思いを馳せる])などの様々な喪失体験は、主に創造価値の喪失による内的な痛みとなり、人生が意味で充足できないとき空虚感を覚える。これらは経験の次元で経験するスピリチュアルペインである。
ケアの質の向上が言われるとき、必ずと言っていいほど、「ニーズの充足」という言葉が付いてくる。
それはもちろん大切なキーワードであるが、
ではニーズは誰がどのように汲み取るのか。
という問いが十分になされてないことを感じる。
歩行困難だから、車椅子が必要=ニーズは車椅子貸与→貸与の契約完了→ニーズ充足・・・
こういった短絡的な解釈が蔓延していないか?と時々怖くなる。
「対人援助職は、まずはその人を立体的に理解することが必要。」
学部時代にそのように叩き込まれたことを思い出した。
#スピリチュアルペイン #高齢者支援 #ソーシャルワーク #対人援助職 #質的研究
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