社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「緩和ケアにおけるナラティブ医療倫理」宮坂道夫 『緩和ケア』Vol.21 No.3 MAY 2011

2011-06-07 09:56:41 | 医学
「緩和ケアを拓くナラティブ」という特集の一論文。
ナラティブは、その人の物語を聞き、その人らしさに寄り添う…という意味だったのでは?と思い、
緩和ケアと組み合わせることに違和感があった。
この論文を読んで、少しだけ違和感を取り除くことができた。

引用
ナラティブ医療倫理とは?
⇒・臨床実践の中で倫理的問題をどうやって見出し、対処すべきなのかという方法論の1つである。
 ・1980年代後半に、シャロンによって提唱された。それまでの自律尊重、無危害、恩恵、正義などの倫理原則によって、
  倫理問題の論点を整理する方法である原則主義を批判しながら登場した。
 ・医療従事者と患者との関係を、対立的・契約的なものではなく、対話的・ケア的なものとして捉え直そうとする。つまり、
  医療従事者が「外部」から突きつけてきた「契約」のような医療倫理を、個々の医療従事者の「内面」から発する「対話
  へのコミットメント」に転換しようとしてきたといってようかもしれない。



 「いまさら」感、「とってつけた」感が払拭された訳ではないが、これからの理想的な医師:患者の関係をよりクリアに説明しようとする一方法だと解釈すれば、、こういう理解もあるのかもしれない。
 しかし、医師と患者の「契約」のもとの関係は、在宅医療ではそれほど強固に感じられないように思う。医療サービスの提供の場が医師、患者のどちらの土俵にあるのか…によるのかもしれない。
 

緩和ケア 2011年 05月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
青海社
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