トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

ウドの花

2016-09-15 | 樹木 草花


今日は中秋の名月 やっと雲が切れて顔を出してくれました

ウドはウコギ科の山野に生える多年草
茎の上の方で分枝し 球形の散形花序が多数円錐状に付いた大型の花序を出す

花は淡緑色の5弁花で3㎜程の大きさ
雌雄の別が有り 上部には両性花序 下部には雄性花序が付く
花期は8~9月 北海道から九州まで分布している

春先の若芽は独特の香気と歯触りから 春の山菜として好まれる
根茎は2,3日日干しして煎じて飲むと頭痛やめまいに効く
同様に夏から秋にかけて葉を日干しして煎じて 食前に飲むと健胃 消化促進に効果がある

ウドの大木という言葉が有る・・大きいだけで役に立たないものの例え

中秋の名月・どアップでどーぞ



キオビツチバチ

2016-09-14 | 虫類


ヤブガラシの花にキオビツチバチがお食事中
レストランヤブガラシは花に蜜が多いのか色々な虫がやって来て飽きない

黒色で艶が有り メスは腹の背板に左右離れた黄色の斑が有る
オスはこの黄色の斑が消失しているのや 長く中央で繋がって見えるものがいる
オスの触角は長く前翅の3分の2くらいはある メスの触角は短い

メスはコガネムシの仲間のハナムグリ亜科の幼虫を狩り 地中に空室を作り引き込み麻酔をかけて産卵する
捕まえようとしたりして刺激すると刺してくる
前蛹で越冬する 大きさは2㎝程有った 北海道から九州 屋久島まで分布している

タマムシ

2016-09-13 | 虫類


玉のように美しい前翅を持つタマムシ
ケヤキの木の上を歩いていた

有名なのは その美しい前翅を飾り金具の下に張り付けた国宝「玉虫厨子」
飛鳥時代に作られ 使われた玉虫は4500匹(前翅の数で9000枚)
玉虫の翅は微細なナノ構造をしていて 光を様々に反射したり散乱させていろんな色に見える
構造色と言っている 色素ではないので色は褪せない

鳥がキラキラした金属色に怯える性質があるため 捕食されにくい
コガネムシの仲間にはピカピカした金属色のものが多いが 鳥から身を守るためと言われている
美しいタマムシは吉兆虫と言われ タンスに入れておくと着物が増えるとか お金に困らないと信じられていた
そして嫁入り道具のタンスにはそっとタマムシが一匹入れられた

日本のタマムシの仲間(タマムシ科)は250種もいるが 小さく地味な色合いのものも多い
成虫は夏の日差しが一杯で暑い時期に活動し ケヤキやエノキ サクラ類の葉を食べる
幼虫はウジムシ型で 樹木の材中をトンネル状に食べ進む為 目は無く 成虫になるのに3年かかる

クズの花

2016-09-12 | 樹木 草花


クズの花があちこちで真っ盛り
最近は自然志向で公園でもあまり狩らないせいかよく見かける
根から採った澱粉がくず粉で 奈良県の国栖(くず)が生産地なので名前になった
最近はジャガイモから採った澱粉が多いらしい

マメ科のつる性の多年草
茎の基部は木質化してつる状に伸びて10m以上になることもある
高い樹に絡まった上の方の茎に咲く花を見ると 草本でいいのかと思うこともある

葉の脇から20㎝にもなる総状花序を出し 2㎝程の紅紫色の蝶形花を多数つける
豆果は7㎝程で褐色の剛毛が密生する
花期は7~9月で日本全土に分布している

根を乾燥したものが風邪薬の葛根湯
茎から採った繊維で織った布を「葛布」という 今では静岡県の掛川や大井川辺りで作られている
自然の風合いがとても素晴らしいらしい
花はジャムや甘酢漬け又てんぷらや花酒 また乾燥させ煎じて飲むと二日酔いに効く
若芽と若葉はおひたし 各種和えもの 煮物 テンプラで美味しい という優れもの
秋の七種の一つ

ヤマイモハムシ

2016-09-11 | 虫類


青色と赤が目を引く小さな虫がいた
ハムシの仲間のヤマイモハムシだ
ハムシは漢字では葉虫と書き 英語ではleaf beetleと呼ばれるように 主に植物の葉を食べて生活している

平地から山地で普通に見られ 本州から八重山諸島まで分布している
成虫は4~10月まで現れる

上翅は黒青色で金属光沢が有り綺麗 頭部と前胸背板は赤褐色 脚は黒い
ヤマノイモ類の葉を食べる
大きさは5㎜程と小さい
成虫で越冬する

アマツバメ

2016-09-10 | 野鳥


高い空の上をアマツバメが行った
雨が降りそうになると良く飛ぶのでアマツバメという

アマツバメ目アマツバメ科の鳥でツバメと付くがツバメ(スズメ目ツバメ科)の仲間ではない
飛行することに異常なまでに特化して進化したグループで 睡眠を含め抱卵育雛以外のほとんどの行動を飛びながら行う

夏鳥 海岸や崖のある山地などに居る
空中を高速で飛び回り浮遊する昆虫類を捕食する
巣材も空中で取るなど巣に帰った時以外は止まることは無く交尾も飛行中に行う

雌雄同色で大きさは20㎝だが 翼は長く翼開長は約43cm 

ヤブガラシ

2016-09-09 | 樹木 草花


どこの公園に行ってもやたらに生えているのがヤブガラシ
地下茎を長く伸ばし 藪をも枯らすほどに繁茂するので付いた名前
手入れの悪い貧乏くさい所に生えるので別名ビンボウカズラ

畑ややぶ 公園などに生えるブドウ科のつる性の多年草
花は小さく花弁も緑色で地味で 花弁と雄しべは午前中に落ちてしまう
花弁と雄しべが落ちると 雌しべを囲み次第に橙色になる花盤が良く目立つ
花盤とは花床(花冠 萼 雄しべ 雌しべが付く台となる部分)の一部が盤状になったもの

他の植物に絡みついて上を覆うためのツルは 葉腋から続いて2個出て次は出ず また2個続いて出る
ツルツル一回休み ツルツル一回休みと言っている
見ると花はツルの出ていない葉腋から 葉と対生して集散花序を出し5㎜程に咲く
花は丸裸の感じだが 蜜を多く出すのか ハチ類 チョウ類など虫が多く集まる

果実は液果で黒熟するが 花は多いが虫えいになるものが多いせいかほとんど見かけない

キアシシギ

2016-09-08 | 野鳥


シギ類の識別が良く問題になるが 名は体を表すと言う意味ではキアシシギは見事に合っている

旅鳥で秋の渡りでは10月頃までは見られる
干潟や海岸の砂浜 河川 水田などに居る
岸辺や浅い水の中で昆虫類 甲殻類などを捕る

良く通る声で「ピューイ」「ピュイウィイ」と鳴くので居るのがわかる
雌雄同色で体の割には脚が短めで黄色い
夏羽では上面が灰褐色でヌメーっとした感じであまり模様はない
大きさ25㎝

ナンバンギセル

2016-09-07 | 樹木 草花


花の形を南蛮渡来のキセルに見立てた名前

山野に生えるハマウツボ科の1年生の寄生植物
ススキ ミョウガ サトウキビなどの根に寄生する
茎はごく短くほとんど地表には出ない
葉は地上に出ない茎に鱗片状に数個互生する

茎のように見えるのは15㎝程の花柄で先に淡紫色の花を横向きに付ける
花冠は3㎝程で根元には先端がとがった萼がある

花期は7~9月 全国に分布している
熱帯地方では大量に発生してサトウキビ畑を全滅させることもある害草

コクワガタ

2016-09-06 | 虫類


最も普通に見られるクワガタムシ
立派な角を持つカブトムシ類はカブトムシ1種だが クワガタムシでは40種近くもいる
同じ種でも体長の小さい個体は角も小さいものが多く 中には角の無い個体までいる
出会ったのはオスの大型個体で角も立派

卵はクヌギ類の朽ち木に産み付けられ 初夏に朽ち木の中で蛹になって秋に羽化し 翌年の初夏まで朽ち木の中で休眠する
卵から成虫まで1~2年かかる
出会ったオスは4㎝程有ったが 小さいものでは2㎝位のものもいる
食べ物はクヌギ類の樹液
全国に分布しており 成虫は6~9月頃まで活動している

バン若鳥

2016-09-05 | 野鳥


今年生まれの若鳥が水辺で歩いていた

水田近くに住み常に田から離れず田の番をする鳥 という意味でこの名になった
江戸時代はオオバンと合わせて「ばん」と呼んでいて 区別する場合は「おほばん」に対して「こばん」と言われた

本州中部以北では夏鳥 それより南では留鳥又は冬鳥
平地から山地の湖沼 池 河川 水田 湿地にいて 水際や水草の上を歩き回るほか 泳ぎながら動物質 植物質のものを何でも食べる
本来は警戒心が強い鳥だが 公園などに居るものは人馴れして近くで見られる
成鳥は嘴先端は黄色で その上から額にかけての額板が赤い
ツル目クイナ科の鳥で足に蹼(みずかき)が無く泳ぐのは下手で カモと一緒に居ると投げたエサはカモに取られる

メスの中には別のメスの巣に卵を産み 自分では世話をしない個体がいる
同種内の托卵なので「種内托卵」という 
托卵した親も自分の巣は持っているので托卵後に今度は自分の巣で産んで抱卵 育雛をする
托卵されたメスは排除せず自分の卵と一緒に世話をするが 両者の卵の産まれた時期が近ければそのまま育つが 時期にずれがあると成長せず死ぬことも多い
また最初に生まれた幼鳥は2回目に生まれた雛にエサを与えたりと ヘルパーをすることもある

成鳥

カナヘビ

2016-09-04 | 小動物 他


久し振りにカナヘビがいた 正式にはニホンカナヘビと言う
日本固有種で日本全国に居る最もポピュラーなトカゲ

平地から山地の林縁部や草地にいて 日中は地表や草の葉上で活動し木にも登る
夜は落ち葉の下や草の葉上で寝る
エサは地表や葉上にいる無脊椎動物で 時には熟れて落ちた果実を舐める
目の下から後肢にかけて白色の細い線条が見えるが 個体差でほとんど見えないものもいる
雌雄は同色で判別は困難

冬眠明けの3~5月頃に繁殖行動が始まり8月には終わる
卵は2か月ほどで孵化する

都市化の影響や農薬散布で数は減っていて カナヘビを捕食するヘビや鳥類 小型の肉食哺乳類など他の生き物への影響が懸念されている
絶滅危惧Ⅱ類

コケオトギリの花

2016-09-03 | 樹木 草花


コケオトギリの小さい花が咲いていた

オトギリソウ科の野原や休耕田などに生える多年草
オトギリソウの仲間の草でオトギリソウ(弟切草)の名は この草を鷹の傷を治す秘薬としてとしていた鷹飼いが その秘密を洩らした弟を斬ったという伝説から付けられた

オトギリソウ科の草は葉 茎 花に腺体が有り 腺体は普通赤い色素を含んでいるので黒く見え黒点とか黒線と呼ぶ
色素を含まない場合は明点又は明線という
オトギリソウでは黒点が見え 飛び散った血が黒点になったと言う
葉を油に浸したものを 切り傷 神経痛 関節炎などに使う 鷹だけでなく人の薬にもなる

コケオトギリソウでは葉を日に透かすと半透明の明点が散らばって見える
花は一日花で5mmほどの小さい花 7~9月に咲き日本全土に分布している

オトギリソウの花 葉や花に黒点が見える

ゴンズイの実

2016-09-02 | 樹木 草花


材がもろくて役に立たないので 同じように役に立たない魚ゴンズイになぞらえてつけられた名前

ミツバウツギ科ゴンズイ属の落葉小高木 高さ5m位
枝がまばらに出るのでまとまりのない樹形になる
ゴンズイ属はゴンズイ1種からなる

5月頃に黄緑色の小さな花を沢山付ける
9月になると実が生る
果実は袋果で1cmほどの半月形で 果皮は厚く赤く熟す
熟すと裂開し中に1~2個の5㎜程の種子が顔を出す
花被の赤と種子の黒が 赤黒効果で目立つ 花は地味だが実は派手だ
こんなに目立つのに食べる鳥は都市鳥ではヒヨドリくらいで人気が無い
他にキジ ヤマドリが食べる

アヒル

2016-09-01 | 野鳥


今日から9月になった 旧暦の異称では「長月」 夜長月の略とか稲を刈る稲刈月に由来するとか言われている

変わった色のカモの交雑個体がいた
嘴はマガモのオス風 茶色の羽色はマガモのメスかカルガモ風

カモ類は他の野鳥に比べて交雑種が多い 公園などでもよく見かける
両種が非常に近い間柄であるため 繁殖地が近いためなど色々言われているがはっきりしたことは分からない

オスは嘴や頭部 尾羽付近に種の特徴が出ることが多いので多少分かる場合があるが メスは識別困難

普通食べている鴨はアイガモだが これは中国でマガモを家禽化したアヒルを 日本やヨーロッパでさらに改良し作った品種のうち 原種のマガモに似たものをアオクビアヒルと呼び 更にこのアオクビアヒルとマガモを掛け合わせたものをアイガモと呼んでいる