トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

クビキリギス

2020-10-16 | 虫類


やや大型のキリギリスの仲間
顎の力が強く、噛みついた状態で強く引っ張ると首が抜けるそうだ
勿論やったことは無い

本州では基本的には年1化で成虫越冬だが、2化目の幼虫で越冬することもある
成虫は3~11月にかけて見られる
頭部が尖った6cm程のキリギリス
鳴き声は「ビーーーー」と電柱の変圧器から聞こえそうな単調な声で、春を代表する鳴く虫
都市部の公園や草むらでも普通に見られる

体色は緑色型、褐色型、稀に紅色型もいて多彩
顎が大きく橙赤色が特徴的で、「クチベニ」「血吸いバッタ」等の俗称もある
イネ科植物の穂が好物で、この大アゴが役に立っている

ミドリヒョウモンとナガコガネグモ

2020-10-15 | 虫類


ミドリヒョウモンがヒラヒラと目の前を飛び回って見とれていたら、ナガコガネグモの網にかかりアッと言う間に糸でぐるぐる巻きにされた
捕まったミドリヒョウモンはオス、ナガコガネグモはメス クモは肉食なので蝶を捕らえても仕方なし・・

ミドリヒョウモン:幼虫で越冬して、蛹を経て成虫は6月終わりころから10月まで見られる
中型のチョウで、表翅は橙色と黒斑のヒョウ柄模様、裏翅は地色が濃橙色~黄緑色、または暗褐色で後翅中央部に線状又は帯状の白斑がある
食草はタチツボスミレなど各種スミレ科植物

ナガコガネグモ:8~11月頃に見られ、垂直の正常円網を張る
網にジグザグ模様の隠れ帯を付ける
水田 河原 草原樹林地に居る、都市部の公園でもよく見かける
メスは大型(20mm)で腹部に黄色と黒色の縞模様がありとても綺麗
オスは10㎜程で、色は淡褐色で模様もはっきりしない


クサキリ

2020-10-14 | 虫類


クサキリは名の通り、草の上に住むキリギリス

卵で越冬して5月頃に孵化し、7月下旬には羽化する
成虫は8~10月にかけて見られる
湿った草地に居て、主にイネ科植物の葉を食べる

大あごは黄色で、頭頂は鈍く尖る
体の色は薄緑色のものと、褐色のものがいる
前翅先端は裁断されたように急に無くなり、脛節は黒っぽい
鳴き声は「ジーン」と力強く鳴く
大きさは4cm程

オンブバッタ

2020-10-13 | 虫類



どこからやって来たのか大分以前から庭にオンブバッタが跋扈している
我が家ではピョンスケと呼んでいる
大きなメスが小さなオスをおんぶしている姿からオンブバッタ

卵で越冬して、成虫は6~11月にかけて見られる
オスは交尾するためにメスの背中に乗ってメスを確保している
この交尾の姿勢は、殆どのバッタで普通のもの
元々あまり餌を食べないオスは、おんぶされている間はほとんど何も食べない、と言うから健気なもんだ

草地で見られるほか、街中の荒れ地にも居る
食べ物は色々な植物の葉、葉なら何でも食べると思わせるほど食い荒らす
顔側面、目の下から直線状に並んだいぼ状の突起が特徴的。
似た顔のショウリョウバッタはこのいぼ状突起が無い
大きさはオス25mm、メス40mmほど


カラスノゴマ

2020-10-12 | 樹木 草花


カラスノゴマの名は、種子をカラスが食べるゴマに見立てたもの

シナノキ科の道端や畑に生える1年草
茎は分枝して高さ30~70㎝になる。茎や葉など全体に星状毛が多い
葉は互生し長さ2~7㎝の鋸歯のある卵形

花は8~9月 葉腋に1個づつ付き、黄色で2㎝程の大きさで花弁は5個
萼片は線状披針形で反り返る
雄しべは10~15個あり、その間に雄しべより長い仮雄しべが5個突き出る
果実は3cm程の細長い蒴果、裂開して中からゴマつぶのような種子が出てくる

果実と種子(11月のもの)



タカサブロウ

2020-10-11 | 樹木 草花


タカサブロウの名は古名タタラビソウから転嫁したと言う説がある
タタラビは皮膚のタダレの事で、タタラビソウは目のタダレの薬として使われていた

キク科の湿り気のある場所に生える1年草
弥生時代前には有った史前帰化種と言われる
茎は葉と共に剛毛がありザラザラし、高さ20~60cm
葉は対生し、長さ3cm幅1.5㎝の披針形

花期は8~10月 頭花は1cmほどで、周りに白色の舌状花が2列に並び、内側に緑白色の筒状花がつく
果実は冠毛の無いそう果で、水に流されて散布する

アオチカラシバ

2020-10-10 | 樹木 草花

 

土にしっかり根を張り、容易に引き抜けないほど丈夫なのでチカラシバという
普通は小穂が褐色がかっているが、白っぽいものがあった
多分アオチカラシバらしい 初めて見た

イネ科の草地に生える60cm程の多年草
茎は多数叢生して大きな株を作る
葉は根元に集まり基部は葉鞘となり、線形で硬く表面はザラザラしている

8~11月に花序を出す
花序は15cm程の円柱状で、基部に剛毛のある小穂を多数つける
アオチカラシバはこの剛毛が淡緑色をしている
小穂は7mmほどの披針形で、小花が2個ある
小穂が成熟すると、剛毛は小穂にくっついて一緒に落ちる

エンジュの実

2020-10-09 | 樹木 草花


莢に入った豆状のエンジュの実がたわわに生った

マメ科の中国原産の落葉高木 高さ20ⅿ程になる
樹皮は縦に割れ目が入り、内皮は黄色で臭気がある
葉は互生で20㎝程の奇数羽状複葉
5対ほどの小葉が対生又は互生する

花は7~8月 枝先に約30cmの円錐花序を出し、黄白色の蝶形花を付ける
果実は豆果 4~7cmで数珠状にくびれる
肉質で裂開しない、が切り裂くとベタベタの液に包まれた種がある
この液は舐めると非常に苦い 種子は8mmほどの大きさ

蕾は「槐花(かいか)」と言う生薬
乾燥した蕾を炒り、細かく砕き粉末にして患部にすり込むと、歯茎や口内の出血に効く 煎じて空腹時に服用しても良い
ルチンが20%も含まれており、一時は毛細血管の脆弱性を回復すると言われたが、その後ルチンにはそのような効果がないことが分かり、元の止血剤としての生薬に戻った

スズガモ

2020-10-08 | 野鳥

 

今日は24節気の寒露、冷たい露が降りる頃
紅葉も始まり、冬鳥も渡って来る 

鎌倉時代には鈴の様な羽音を立てるカモ類全般を指してスズガモと言っていたが、徐々に今のスズガモの事を指すようになった

冬鳥 北海道では夏でもいる。夏に出会って驚いたことがある
内湾 港 海に近い河川や池などに居る
内陸の湖沼には少ないが、今年の2月には都心の公園でも出会った
最も多く渡来する海ガモで、大群を作ることが多い
夕方になると一斉に海上に飛び立ち、潜水して貝類や甲殻類を好んで食べ 海藻類などを食べる
朝方休息場へ戻る

オスは頭部から胸が黒く、頭部は緑色時には紫色の光沢がある
メスは頭部が黒褐色で、嘴基部に白色部がある
大きさは45cm

ノビタキ

2020-10-07 | 野鳥


ノビタキは野のヒタキ、の意味
本州の中部以北の高原や、北海道の草原で繁殖する

夏鳥
今は秋の渡りの真っ最中で、平地でもあちこちで見られる
見られるのは概ね10月まで
尾羽を上下に動かしながら、草の穂先や灌木に止まっては移動し、昆虫類クモ類などを採食する

オスは喉と頭部からの上面が黒く、翼に白斑があり腰は白い
胸は錆色で頸側と胸は白い
メスは頭からの上面が黒褐色で、淡色の縦斑が有り、翼には小縦斑がある
大きさは13cm

トビ

2020-10-06 | 野鳥


トビ(鳶、鵄)の名は遠く高く飛ぶと言う意味の「とおくひいる」が略され転化して「飛び」になった言う
神武天皇の軍勢が金色のトビに助けられた、と云う伝承がもとでトビは神の使い、聖鳥とみなされてきた この故事から、明治時代に「金鵄勲章」として武勲の軍人に多く授けられた

留鳥 南西諸島では稀な冬鳥
海岸線から大きな湖沼に多い
繁殖期には番で行動し、高木の樹上に巣を作る
巣の周りが縄張りだが、良い場所では巣がひしめいて作られることもある
採食場は遠く縄張り外なので争わないらしい

朝方採餌場へ向かい、屍肉やカエル 昆虫類 人の捨てた残飯 水産加工場の廃棄物など雑食性

雌雄同色
全体が茶褐色 飛翔中の下面で白く見える初列風切り基部
日本産ワシタカ類では唯一凹尾を持つ
大きさ60cm

カケス

2020-10-05 | 野鳥


樫の実を食べるので平安の頃から「カシドリ(樫鳥)」と言われ、和名がカケスに統一されたのは大正時代からのこと
カケスは鳴き声語源説が有力だが、巣を懸けるように作るから、とも言われる

留鳥又は漂鳥
冬は暖地に移動するものもいる
しゃがれ声でジェーイジェーイなどと鳴く 他の鳥や動物の声も良くまねる
声で存在を知ることが多い
果実から小鳥の雛まで何でも食べるが、ことのほかドングリが好きで地面に埋め込んで蓄える
一部は忘れられ、そこから発芽することも多い

雌雄同色
体はぶどう褐色で翼は黒い
頭は白く黒い縦斑がある
雨覆いは、青白黒の斑模様があり綺麗
大きさは33cm

エゾビタキ

2020-10-04 | 野鳥


エゾ(北海道)の方から来るヒタキと言う意味だが、繁殖地は千島列島・サハリン以北で北海道でも旅鳥

旅鳥 都心辺りでは10月に入るとあちこちでボチボチ見られる
林縁や樹木の散在する開けた場所で良く見る
体を垂直にして止まり、空中採食で昆虫などを捕らえる
秋の渡りに時期にはミズキやモッコクなどの木の実も食べる

雌雄同色
白い下面に明瞭な黒色縦斑があるので分かり易い
大きさは15cmほど

イソヒヨドリ

2020-10-03 | 野鳥


イソヒヨドリ(ヒタキ科)は海岸の岩場に住むヒヨドリに似た鳥、という意味の名前でヒヨドリ(ヒヨドリ科)の仲間ではない

留鳥又は漂鳥
海岸の岩場に居るが、川に沿って内陸部に漂行することもある
最近では市街地で繁殖することもある
縄張りを持ち、尾羽をゆっくり上下に動かしながら獲物を探す
昆虫類や甲殻類、トカゲ フナムシなど色々採食する

オスは青藍色の上面と赤褐色の腹
メスは下面に褐色のうろこ状斑がある
大きさ23cm


オオウンモンクチバ

2020-10-02 | 虫類


三角形のスッキリした体形のオオウンモンクチバ
ヤガ科の仲間で、この科は蛾類の中でもっとも種数が多い科で、日本には1000種以上いると言われる
夜活動するものが多く、農作物や果樹の害虫として有名なものもいる

オオウンモンクチバは蛹で越冬して、成虫は3~9月にかけて見られる
幼虫は足の一部が退化していて、尺取り虫に似た歩き方をする
食草はクズ フジ ヌスビトハギ エニシダなどマメ科植物
成虫は赤味のある翅に、V字型の黒色帯が目立つ
大きさは開張で4cmほど