いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ギリシャ・クライシス。 Greece Crisis

2011-11-05 19:33:06 | 日記
 (1)国債のほとんどを外国投資に頼るギリシャの国家財政破たんによる債務不履行(default)問題の深刻さ、EU援助の財政再建支援策の構図は、まあわかるとしてギリシャ国内の財政危機はよく見えないしわからない。

 とるべき税金もとらない、とれない税金逃れの天国(とるべきところからとれていない。かっての造船王はギリシャの大富豪だった。)と言われ、格差社会と言われて、財政再建にやることもやらない放漫ギリシャへの支援にはEU内に不満も多いと聞く。
 仏独主導で何とかまとめたEUのギリシャ財政支援策を、国内緊縮財政の履行監視という付帯条件もあってスンナリ受け入れることもせずに、ギリシャ首相の政治基盤の弱さの回復に打ったと思われる同支援策認否の大芝居の国民投票提案で世界の失望を買って、首相辞任まで持ち出して圧力を国内に向けさせて、結局は国民投票撤回でEU支援策受け入れ可能性の回りくどいシナリオだった。国債のほとんどを外国投資に頼るギリシャ国債は大幅下落だ。
 ギリシャ政治の混迷(Greece Crisis)は、日本の民主党第2代首相の今夏の非生産的なやめるやめない騒動と同じ軌跡(locus)だ。

 (2)ギリシャ財政破たん、債務不履行問題は、日本での90年代のバブル崩壊による影響を受けた大手企業支援のために大手銀行が政府主導により多くの不良債権を負担させられて、回収不能により債務不履行に落ち入った社会現象と同じだ。

 この時、国は政府主導により招いた債務不履行責任もあったのだろう、国民投資(税)による銀行支援に乗り出した。政府は銀行経営に人材を送り込み、実体とかけ離れた高額給料の見直し等経営体質の改善を迫り再建に乗り出したことがある。
 現在は当時再建策に使われた国民投資(税)の90%以上は回収されたと言われて、現首相も今回のG20首脳会議で成果を主張した。
 ギリシャ問題は、日本の銀行不良債権問題の構図として理解できる。

 (3)IMFは、次に財政危機の懸念があるイタリアを財政再建の監視下に置くことで合意した。イタリアはEU、ユーロ圏第3の経済力を持つ文化、ファッション、スポーツでも影響力のある国で、ここでのスパイラル(spiral)財政不安、混乱の影響力ははかりしれないものがあり、異例の先手を打った形だ。欧米の財政、金融危機は、円買いによる急激な円高に反映して日本経済に打撃を与えてくる。

 (4)財政、金融危機の背景には、当然のようにそれを作動コントロール(operational control)する政治の混乱、混迷がある。G8の先進国や一国では対応できないスパイラルに落ち入ったEU圏の政治、財政、金融危機で回復改善には、G20首脳会議の先進国と新興国の国際協調主義が欠かせない要件だ。

 中国、インド、ブラジル、アルゼンチンの経済発展新興国の役割も比較大きくなった。また、政治、経済、平和の「EU化」も、破たんスパイラル、共倒れを防ぐ問題整理、検証が求められる。
 ようやくのEU大統領制が発足して、目的、手法、理念、理論の共通性、共有性、共益性の「EU化」精度を高めることが求められる。

 国家累積赤字(国債ほか)1000兆円目前の日本にとっても、遠いところの課題ではない。

 

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