いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

巨人軍のフロントのこと。 front office affairs of Giants

2011-11-18 19:37:16 | 日記
 (1)プロ野球の巨人(読売ジャイアンツ)は、前身球団から東京を本拠地として日本プロ野球の中心軸としてのアイディンティティ(identity)を自負してチーム戦力拡充をして野球界をリードしてきた。
 長嶋、王選手を擁して9年連続ペナントレース、日本シリーズを勝利して破格のチーム力、人気を誇示してきた。いつも満員の入場者に、TV時代を迎えて全試合中継による多額の放映権料による豊富な資金力と人気、ネームバリューを活かして、有力選手を獲得して独壇場のチーム編成をひとり凌駕(りょうが)してきた。

 プロ野球はスポーツの闘う集団として「軍」と呼ばれる。読売ジャイアンツは通常2ndネームの「巨人軍」と呼ばれている。その他のプロ野球チームで通常2ndネームを使って球団名を呼ぶところはない。親会社名を示す1stネーム(阪神、中日ほか)を使うのが通例だ。ここでも巨人のプロ野球界におけるアイディンティティをひとり誇示する独自性、独立性がある。

 本場アメリカの大リーグが広く地域に根差した多チーム構成と、戦力均衡による野球興味、関心(米国のトップスポーツはバスケット、アメリカンフットボール)を高めるためにドラフト制度(draft system)を導入したこともあり、日本プロ野球もドラフト制度を採用して今や巨人ひとり勝ち時代、人気独占は過去のものとなった。そこから始まった話だ。

 (2)今年のペナントレース、その巨人は阪神と最終ステージまで3位争いをしてかろうじて3位でクライマックス1stステージに進出したが2位のヤクルトに敗れて、同2ndステージにも進出できなかった。
 例年、他チームに比較して補強した外国人プレーヤーの活躍が少なくて、投資対効果の少ない(つまり浪費)フロント・スカウト力不足が指摘されてきた。

 巨人軍のその選手補強、チーム編成のフロント・オフィス責任者(球団代表・GM)が、今は権限のないしかし読売グループ、巨人の実力者球団会長がチーム編成権に勝手に介入してきたとして、社会に情報開示して訴えた。
 現会長が代表の時には「イエスマン」だっただけに、立場上、掌(てのひら)を返したような権利侵害の訴えは唐突にも見える。

 訴えた個人会見の場所は、所属する読売社内ではなくプロ野球を管理する文科省だった。巨大野球組織代表が国権にすがったひ弱な実態だった。文科省も現会長の横暴には腹をすえかねての会見の提供だったのか。
 本人は涙ながらの実力者球団会長の横ヤリ批判であったが、そもそも巨人球団内部の事務処理的もめごとにすぎない。一般社会相手に内部情報を開示しての訴えは、情報価値が社会的利益、共有性のあるものならいざしらず、スポーツの闘う集団としてのプロ野球のましてかっては栄華を誇った巨人軍内部のいざこざとあっては、何んとも情けない、ひ弱でスケールダウンしたのは現場チーム力だけではなくフロントオフィスでもあったかの思いだった。

 (3)どの職場、職域でも多様な意見が自由に論議されて色んな意見が出るのは押さえられない前提で集約されて本論にまとめ上げられてこその価値判断スタンダード(standard)だ。
 まとめ上げられない、または意見(横ヤリ)に適正に対処できない責任者の能力不足の責任転嫁のようなひ弱な体質の個人会見だった。巨人軍も小さくなった。

 球団会長は代表時代からも独断的、独善的な考え、手法で強かった巨人軍の人気力を背景にしてプロ野球界にも強い影響力を誇示してきた。親会社がメディア(新聞)であることから政治にも事あるごとに顔を出す。

 政治と同じように巨人軍の復活にはフロントオフィスの分かり易い改革(代表・GM・会長とわかりにくい)刷新がまず必要であることが証明されただけの代表・GMの個人会見であった。
 他チームでもフロントオフィスと現場との確執、意思の不統一が表面化している。巨人軍代表・GMは本日解任された。

 有力な日本人プレーヤーの大リーグ移籍が続いている寂しい日本プロ野球だ。
 

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