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【学ぶということ】SHIROBAKO 第12話「えくそだす・クリスマス」 感想

2014-12-27 | SHIROBAKO
なんだかんだで仲良いなあ(笑)。











松岡修造の格言に「失敗したらガッツポーズ」というものがあります
要は失敗したからこそ学べたし、知る事が出来た。むしろ失敗は成長する為の糧なんだと
みゃーもりもまた“切羽詰まったから手当たり次第に頼み込む”という明らかな失敗を犯していました
とはいえ、俺自身「そうするしかないよなあ」って感じで先週は観ていたのでみゃーもりの事を責める事は出来ませんがね

ただ、大物アニメーター菅野さん(っていうか庵野さんですよねまんま 笑 声までめちゃくちゃ似せやがってからに!)がそれを正してくれました
適材適所、ただ闇雲に頼み込むのではなく、きちんとアニメーターの質や得意分野を把握して頼む方がスムーズに進行するし自分も助かる
手当たり次第にチラシをばらまくよりもちゃんと反応してくれる人を見極めて配った方が効率が良いように
制作進行もまたそういう知識や選択能力が問われるお仕事なんでしょうね

でも、今回みゃーもりが「失敗」した事できちんと「学べた」はずなのも確かです
現に菅野さんの話をしっかり聞いて、周りの反応が良くなくても「杉江さんにお願いしましょう」と意見を押し切る事が出来た
そんなみゃーもりの“確かな成長”もまた「えくそだすっ!」完成に間違いなく作用してたと思うので
やっぱりこの作品はきちんと段階を踏んで一歩一歩キャラの成長や報われるシーンを描いてくれる
俺の大好きな誠実な作風たり得てるなあ・・・と感動してしまったのでした

みゃーもりが“失敗出来た”のはみゃーもり自身がまだ新人ながらも必死に声と足を使って“行動した”からなんですよね
絶対にこれは偶然なんかじゃない、みゃーもりが能動的だったからこそ得る事の出来た「失敗」なのは疑いようもなく
逆に言えば積極性がなけりゃ成長など出来ない、って事を暗に示してるかのようでした
それはアニメ制作云々だけの話ではなく
どんな場所でもそうです
自身から積極的に動かなければ壁にぶつかる事もそこから学ぶという事もずっと出来ないままです
それを直接的に説教じみた形で表現するのではなく、間接的に視聴者に伝わるように仕向けた作劇は流石ですね。
アニメ業界の今が分かるだけじゃない、可愛くて素敵なキャラが頑張ってるのも魅力だけど、こういう深みがあるアニメだとも感じるのです
みゃーもりはみゃーもりらしく、みゃーもりのままで、“報われる現実”をみゃーもり自身の行動で勝ち取った
その末の彼女の涙だったからこそ視聴者としても泣きそうな気持になってしまったんでしょう
決して棚ボタじゃない
人から享受してもらった「だけ」じゃない
きちんと能動的に積極性を保っていたからこそ掴み取った“結果”
このアニメを観続けて来て良かった、ファンになって良かった、そう確かに感じる事が出来た話数に仕上がっていました
改めて、みゃーもり、絵麻、そして武蔵野アニメーションの皆さん完成おめでとう。って言いたくなりましたね。おめでとう。




みゃーもりが素敵なのはその積極性や真っ直ぐな部分だけじゃなく
きちんと人の云う事を素直に聞いて実践出来る「素直さ」にもあると思います
普通菅野さん(庵野さん)ほどの人に会ったら嘘でも全話観ました、とか大好きです、とかその場しのぎのご機嫌取りをしちゃいそうなものですけど
みゃーもりは本当に素直にありのままをパッと話しましたからね
そういう取り繕わない部分
傍目から見ていても明らかに素直な部分が際立っていたからこそ
菅野さんもそんなみゃーもりにアドバイスをしてくれたんだと思います
よしんばそうじゃなかったとしても、みゃーもりが素直だったからこそそのアドバイスを受け入れる事が出来たのも事実
それに加えて「チャッキー」の原画マンだったという情報も後押ししたのも事実でしょうけどね
でもそういう風に素直に他人の話を聞いて成長出来る人材は貴重なんじゃないかと
みゃーもりは、“みゃーもりが好きなもの”に関してはとことん疑いがない
本当に純粋に好きを貫いてる姿勢が素敵だなあ、と思います
こんな風に何かを素直に愛してる人間でありたいなと。
個人的に大好きでめちゃくちゃ感情移入出来るヒロインですね、みゃーもりは。ホント観てて清々しい気持ちになります。
それと同時にみゃーもりなりのペーソス「も」表現されてるからこそ余計に感情移入出来る要因になってるんでしょうね。
新人ながら、ここまでよく頑張ったと思います。意志の強さが伝わるカットの数々も今週特にグッと来ましたね。




杉江さんは大ベテラン、故に絵柄が古い。という理由で最新の美少女アニメからはお呼びが掛ってなかった状態だった
だけど、昔から動物を描くのが上手く、また作業スピードも速いという今の状況にはうってつけの人材でもありました
ただ、悲しいかな一度出来てしまった流れは誰かが壊さないと元には戻らない
それを確かな意志の元で壊してくれたみゃーもりの存在は
やっぱり杉江さんにとっても嬉しかっただろうし、
また杉江さんも“成長”を遂げる事が出来たんでしょうね
今のアニメとは合わないから~って理由で今の状態を半ば受け入れてた杉江さん
だけど、経験の分だけ知識も技量も豊富で「教えられること」がたっぷりある杉江さんの存在は
今の若手にとってもいい刺激になるし、ここでもまた“学ぶこと”が沢山あったんですよね
そういう先人に対するリスペクトの気持ちだったり、
素直に“学ぼう”とする若手の姿勢
そういうものにも気持ち良くさせてもらったなあ・・・と思いつつ、未だ衰えてなんかいない杉江さんの厳しい眼差しにも確かな面白さを感じたのでした

そんな風に、誰もが頑張って誰もが苦労して、誰もが自身と向き合ってその末に完成したのが「えくそだすっ!」なんです
それは別に自分がこうやって書かなくてもきっとここまでこのアニメを楽しんで来た視聴者なら分かるはず
だからこそ本田さんも目を潤ませて、監督も完成した最終話を観ながら涙して
誰もが同じ感動と達成感を共有出来たんでしょうね
その“過程”があったからこそ、
自分にもその「嬉しさ」が伝わった
素直に感動出来る隙間があったんじゃないかな、、、って今は思います
気が付けば今まで出て来たメンバーの中で尽力してない奴は全然いないですもんね
そんなみんなの想いの結晶こそ「えくそだすっ!」でありだからこそ完成報告の瞬間がとても美しく感じられたのでしょうね
紆余曲折ありながらも、それぞれが考えて選んで足掻きながら作った「ドラマ」が確かにこのアニメにはありました。
まだまだ何もかもが報われた訳じゃないけれど、この“達成感”はきっとみゃーもりにとっても大きいはず。
それが今後の経験に活きて来る事を願いつつ、1クール目ラストの回は最高でしたと締めさせて頂きます。

あと、クリスマス回がクリスマス当日ってのも出来過ぎですよね(笑)。
堅実に誰もが成長していく様を描いている良いアニメだと思います。
2クール目も非常に楽しみですね!














ところで、ナベPと本田さん&監督が言い合うシーンは現場の熱!って感じで見応えありましたね
最後までギリギリだったのも武蔵二らしいし、ドキドキ感があって良かったと思います
杉江さんを真っすぐに信用したみゃーもりと、それに頑張って応えてくれた杉江さんのやり取りが感動的だった12話目
肝心のエリカさんは特に高梨と何かある訳でもなかったのもある意味面白かったです(笑 まあ、高梨だしなあ。
でもなんか、気付けばどのキャラも人間味が感じられて俺は大好きですよ、みんなが。
本当に七福神作れるのかはさておき、誰もがまた一歩進む作劇であって欲しいなと。

それから先日出たBD買いましたよ。
特典が凄く豪華な上に3話収録なんでこのアニメ好きならおススメです
今は東京で「SHIROBAKO展」もやってますし、コミケでも色々出すようなので様々な角度から楽しんでみてはいかがでしょうか。
自分も行こうかな、と。



某風立ちぬ後だったのが余計に色々な意味で伝わりやすくなったと思います(笑)。