サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

本当の天才。/アクタージュ 第73話「オーラ」 感想(週刊少年ジャンプ2019年33号)

2019-07-13 | アクタージュ
高校生は3日で変わる。










序盤に、夜凪ちゃんが「本人の感情の中から抜き取ってそれをそのまま再現する。」という、
そういう神懸ったやり方で好評だったり実績を掴み取って来た訳ですが、
確かにそればっかりだと自分の中にないものは再現出来ない~という弱点が生まれてしまう
取り分けファンタジー作品のような“未知のもの”を演じるにあたってそれは致命的だったわけですよね

だから、このタイミングで「想像する」「(自分がそうだと)信じ切る。」という、
また違ったやり方を身に着けることで窮地を脱する、という脚本は相当上手いな。って感じました
そりゃそうだ、芝居って元々自由なものなんだから、一つのやり方に縛られる必要はないし、
色々なやり方があっていい。
今の景ちゃんは、
自分を完全にファンタジーの登場人物だと信じ切って演じているわけで、
それはそれである意味景ちゃんの地力も活かせる最高の手段だよなあ、って思いました。



これ誰?(笑




また、それを「努力」で掴み取った、というのが良いですね
勿論、山野上さんの助言も大きかったんでしょうが、
本人が一人で山を登って、
籠って、
降りて、
自然を体感することで得られた技能、、、とも言えるでしょうから、
そういう意味だと夜凪ちゃんは常に考えながら努力しながらここまで来ている。と言えます
元々凄まじいまでの表現力がある上に、そこまでストイックだったらそりゃそこまで行くわ。という感じですが、
決して偶然や幸運で掴み取ったものではない・・・というのが個人的には何よりも素晴らしいと思いました

本当の天才・・・
本当の天才、とは、
元々持ってるものだけで何となく上手くいく人間ではなく、
元々持ってるものだけに甘えず常に危機意識を持ち努力出来る人間が本当の天才なのかもしれません
その意味では、夜凪ちゃんは今まで壁にぶつかる度に考えて努力して「自分の力で」成功を掴み取って来た
今回のこれも、明確な意思の上でしっかり会得しようと思って会得したもの・・・と考えると、
とても尊い行為だと思いますし、読者としても感慨深かった、、、というのが本音ですね
そう、夜凪ちゃんは意外と「努力の人」なんですよ。
冒頭に挙げた画像が物語っています。







ただ、
自分を意図的に美しく見せる自己プロデュース能力に徹底して来た千世子にとっては、
ようやくメソッド演技を体得したと思ったらそこを超えてきた景ちゃんに対する想いは尋常ではないでしょう
恐らく、千世子に同じような演技は(現時点では)出来ないんじゃないか、と思います
そこで、千世子がどう動くか・・・も個人的には注目したい要素ですね

しかし、今週の作画/演出はマジで素晴らしかったです
まず、夜凪ちゃんの努力の跡を表情で魅せて、
その後その成長の度合いを見開きで魅せる
更に、陸が反応することでその結実を読者に感じさせて、
最後にそれを観ていた千世子が何かしらの感情を抱いているところを見せる・・・という
ある種完璧にも近い構成になっていて非常に読みごたえがあったと思います。

千世子は、「今は」知名度や人気、積み重ねて来た評価などでは夜凪ちゃんに勝っているでしょうが、
だからといって「これからも」、それが順当に続く保障やNo.1で居続けられる確証なんてないんですよね
今までがそうだったから、これからも大丈夫。だなんてことは一切有り得ないわけで、
それを考えると千世子の危惧はある意味現実的な思慮だった。と言えますが、
かといって千世子だって根っからの天才ではなく“努力の人”です
決して、後ろから来る新鋭に追い越されるだけではないはず・・・
という訳で相変わらず墨字さんサイドにも期待しています!







そういえば、コミックス7巻購入しました。
今回は表紙が夜凪ちゃんの制服姿で中々いい感じでした!
というか色々景ちゃんオン・ステージで相当の良巻ですよね(笑