コンドルにさらわれたむすめ/大人と子どものためのむかし話 ペルー・ボリビアのむかし話/加藤隆浩・編訳/偕成社/1989年初版
みじかい話ですが、南米らしさがあらわれている話です。
人間に姿をかえたコンドルが、村長の一人娘をさらって自分の家につれていきます。心配になった村長は村から村へと娘をさがして歩くが、みつかりません。
そのときハチドリが、畑から追い払わず、いつでも花のみつをすわせてくれるなら娘の居所を教えてくれるという。村長が承知すると、ハチドリはきりたったがけのところに村長をつれていく。そしてハチドリが縄をがけの岩に巻きつけ娘をとりもどす。
コンドルはそれいらいハチドリとおりあいが悪くなり、ハチドリがたくさん住んでいる畑には、おりてこなくなります。
「コンドルは飛んでいく」の曲とは違うイメージのコンドル。
ボリビアの国鳥とされているハチドリは南米のほかの国でも国鳥とされて、南米の神話には欠かせないという。
おおきなコンドルと小さいハチドリという組み合わせが想像力をかきたてます。
ところで、ボリビアといえば忘れることができないのが、ゲバラ。
キューバで革命を成功させた一人であったゲバラがボリビアで革命を起こそうとするが、孤立したまま殺されてしまう。キューバに残っていればそれなりの人生をおくることができたにもかかわらず、あえて困難な道を選んだゲバラ。しかし、最近彼の評価を変えつつある動きがあるという。