日本の民話3 旅先で聞いた昔話と伝説/池原昭治/木馬書館/1993年初版
池原氏の挿絵だけをみていても楽しい。一話一話はそんなに長くないので読みやすいが、しかし300ともなると読むだけでも大変。図書館から借り出して読むというより、やはり手元において少しずつ読みたい本。主に香川、埼玉を中心に東京、千葉、神奈川、群馬の昔話・伝説も。埼玉のものでは川越の話が多い。
この中の「桃太郎伝説」は、
高松の話として載っており、じいじいが芝を刈ったところが芝山(高松市香西北町)、ばあばあが洗濯したのが本津川、桃太郎が鬼を退治して勝ちどきをあげた山が勝賀山、その鬼をまつったところが鬼が塚としてのこっているという。
「浦島太郎伝説」も香川県の庄内半島の話として載っています。
太郎が生まれたところが生里(詫間町)、子どもたちから亀を助けたところが亀の越(詫間町箱崎)、竜宮城の場所は粟島(詫間町)とも伊吹島(観音寺市)ともいわれ、玉手箱を開いたところが箱の浦(詫間町)、白い煙が立ちのぼった山が紫雲出山であったという。
こうした「伝説」をたどるのも楽しい。桃太郎神社で検索すると、岐阜県中津川市、愛知県犬山市、大阪府南河内郡河南町、香川県高松市に神社が存在します。
また浦島太郎ゆかりの神社、寺を検索すると
浦嶋神社 京都府与謝郡伊根町
浦島神社 香川県三豊市 池原氏の伝説で紹介されているもの。
寝覚の床・臨川寺 長野県上松町
寝覚の床は竜宮城から戻った浦島太郎が玉手箱を開けた場所といわれ、中央の岩の上には浦島堂が建 つ。臨川寺は、浦島太郎が使っていたとされる釣竿を所蔵する。
知里付神社・真楽寺 愛知県武豊町
知里付神社には浦島太郎が竜宮城から持ち帰ったといわれる玉手箱が所蔵されており、日照りの際 の雨乞いに使われたという。また、真楽寺の境内には浦島太郎を背負った亀のものとされる墓がある。
京都府与謝郡伊根町の浦嶋神社の社伝では825年に創建されたといいますから、浦島太郎の話はその前から存在したものでしょう。