深い深い井戸/世界名作おはなし玉手箱 語り聞かせお話集/齋藤チヨ/すずき出版/2000年初版
池も川も泉も井戸もない村。この村の人は遠くの村まで、ロバに桶をつけて水を運んでいました。これまで何度も井戸を掘ってみましたが水がでることはありませんでした。
若いときからせっせせっせと働きお金をためたリーおじさんは、お金を世の中に役立てたいと井戸を掘りはじめます。
リーおじさんが賃金や道具代を払い、深く深く掘り始めますが水はでません。失望のうちにりーおじさんは亡くなります。
しかし、息子がこの仕事をやり続けます。何年も続けますが水はでません。そのあと、今度は子どもがこの仕事を引き継ぎます。
そしてやがて水が・・・・。
三世代にわたって続けられた井戸掘り。結末は予想できるのですが、先が見えない中で諦めずに井戸掘りに挑んだ様子がジーンとくる話。
斎藤隆介、滝平二郎コンビの絵本「半日村」「ひばりの矢」などを思い出させてくれるお話です。