ビモのおにたいじ/ヌロールステッヒサーリン・スラムット・再話 ノニ・スグルノー・絵 まつもと りょう・訳/ほるぷ出版/1985年初版
副題に「ジャワの影絵しばい」とあって、特徴ある影絵の世界が広がっています。
物語は五人の王子のうち、二番目のビモが鬼退治します。
従妹同士の争いから国をでた五人の王子。途中五人をうけいれてくれた家でなにやら深刻な話し合いがされていました。
家族の一人が鬼の人身御供にならなければならなかったのです。
そこでビモが鬼退治にでかけます。
この物語は200以上もあるという物語の一部。五人の王子と従妹が百人でてきますから確かにごく一部のようです。
夜の8時30分ごろからはじまって、朝の5時すぎに終わるというのですが、休憩はなし、途中での出入りも自由、影の方からも影でない方からも見物できたといいます。
解説によると、ジャワの影絵芝居は10世紀には成立したといいます。
古くはヤシ油ランプので投影されたという影絵。南国の夜に星空の下で見る影絵はどのようなものだったでしょうか。
くじらだ!/五味太郎/岩崎書店/1978年初版、2016年改版
町の三角屋根の風見鶏のうえで、わたりどりがくじらがだあ!と大きな声。
漁師のくせにだれもくじらをしりません。でもたったひとりだけ本でくじらをしっていて、くじらが食べられるとしって、村中の人がくじらさがし。
包丁や釣り竿、網をもって、いさんででかけますが、くじらの姿はさっぱりみえません。
小さな島からのぞいても、湖にもぐってもみつかりません。
すると遠くに潮がふいているのが見えます。それっとかけつけてみると、管が破裂して、そこから水がふきあがったものでした。
朝から晩まで見張っていてもくじらはみつかりません。
村人は、わたりどりが、うそをいってだまされたとくじらさがしをやめます。
うそつきといわれたわたりどりが、男の子(女の子かも?)とねこをバッグにのせて、そらにまいあがると・・・・。
最後にびっくり。確かにくじらがいたんです。それも湖全体がくじらでした。
どこか南のくにでしょうか。パイプから潮が吹いたり、夜のかがり火、さりげなくコウモリがとんでいたりといろいろ探す楽しみもあります。
船は帆で小型ですから、本当にくじらにあったらどうしたでしょう。
俯瞰してみると違った景色がみえそうですよ。