小さな小さなウイルスの大きなはなし/伊沢尚子・文 坂井治・絵 中屋敷均・監修/くもん出版/2021年
新型コロナが変異をかさねながら三年目。まだまだ先が見えません。昨年のタイムリーな出版です。
こわい存在のウイルスですが、元気な赤ちゃんがうまれるのは、はるかむかしに感染したウイルスの遺伝子が、いまはヒトの遺伝子として、役に立っていること、海ではウイルスに感染することでプランクトンが増えないよう保っているというのは意外でした。まだよくはわからないことも多いが、環境をちょうどよい状態に保つ役割もあるという。
ウイルスの大きさ、細胞とウイルスの違い、ウイルスの増殖、ウイルスの種類から感染のしかたまで。
ウイルスは、4のあとにゼロが30個つく数もいて 重さもシロナガスクジラ7500万頭分にもなるとあって驚き。
ヒトを病気にする新しいウイルスは、森の奥にすむ野生動物からやってくることが多く、ヒトが自然にはいりこみすぎたため、それにふれる機会がふえ、さらに世界のグローバル化が進んで、ウイルスが広がるには、好都合になった というのには考えさせられるところ。
パンデミックは、自然を破壊する人間への警鐘です。