どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

つぼが トコトコ

2022年02月22日 | 紙芝居(昔話)

     つぼが トコトコ/文・東川洋子 絵・小林ゆき子/教育画劇/2009年(16場面)

 

 デンマークの昔話からとありますが、ほかの昔話にみられる導入部で、最後の方も 子ども向けに、ウンコでおわります。

 「銅のなべ」(子どもに語る北欧の昔話/福井信子・湯沢朱美・編訳/こぐま社/2001年)が高学年むきなのに、この紙芝居は、絵もふくめ低学年むけでしょうか。

 

 むかし、まずしいけれど きの よいお百姓が、市場に牛を売りに行きました。
とちゅう、ヒツジを連れた男にあい、とりかえっこしようと持ち掛けられ、牛とヒツジを とりかえっこ。

 しばらくいくと ガチョウをつれた おばさんから ヒツジと ガチョウの とりかえっこを もちかけられ ガチョウを連れて 市場へ。市場で たいそうなおとしよりから つぼと ガチョウを とりかえてもらえんかなぁ といわれ つぼをもって家に帰ると、おかみさんは ビックリガックリ。

 おかみさんは 牛が こんなつぼひとつじゃ まるっきりの まるぞんと、怒りますが、お百姓は、とりかえちまったものは しかたないさ と動じません。

 ところがそのとき、つぼが「そろそろ でかけるかな」と、コトコト家から出ていこうとします。おかみさんが「どこへ いくんだえっ」?と聞くと「地主さまの、トコロ!」と、つぼはきっぱり。

 つぼは、地主のお屋敷を目指して 広い田んぼ、畑をつっきって 屋敷の中へ。つぼが 台所にすわっていると、女中さんが「まあ おかゆをいれるのに ちょうどいい」と、おいしそうなおかゆを ザンブリ なかにいれると、つぼは そのまま家にかえります。

 お百姓とおかみさんは、おいしいおかゆを おなかいっぱい たべると、つぼをきれいに洗っておきました。すると「そろそろ でかけるかな」と、つぼは トコトコ また地主さまのお屋敷へ。「バターを入れるのにちょうどいい」と、上等なバターが 中へ入れられると「じゃ、いくかな」と、家に帰ります。お百姓さんたちは、ゆでたジャガイモ、かたいパンにバターをつけて 豪華な食事をすると、つぼをきれいに あらっておきました。

 つぼは、地主に屋敷から、銀のお皿、カップ、スプーン、金貨までもちかえります。

 怒った怒った地主は、つぼがやってくると なんと つぼに ウ・ウ・ウンコ! ところがつぼがふくらみ、地主は ウンコの うえに 真っ逆さま。

 地主が「どこへ いくんだえーっ」ときくと、つぼは「じごく、へさ!?」