ひとだまの話/ウサギどん キツネどん/J.C.ハリス作 八波 直則/岩波少年文庫/1953年初版
1953年に出版されていて大分古いが、お話としてはあまり聞いたことがありません。
解説では、黒人の話をもとにして、アメリカの新聞にのったという。リーマスじいやが、こどもに話をする形で進行します。
キツネを主人公にした話が継続しますが”ひとだまの話”は、やや趣が異なります。
他の国でよくみられる話で、かじ屋と悪魔のやりとりが楽しい。
悪魔につれさらえようとしたかじ屋が、大声で泣きわめき、一年命をながらえる。
一年たって悪魔がやってくると、今度も何とかうまく悪魔をだまし、さらに一年の猶予をもらう。
一年後さらに一年の猶予をもらうが、四年目には袋に入れられて地獄にいくことに。
しかし、このかじ屋、途中なんとか他の袋と入れ替わる。
地獄にもどった悪魔が、小悪魔に食べさせようとすると、袋からはブルドッグがでてきて、小悪魔をさんざんな目にあわせたので、悪魔はブルドックを地獄から追い出してしまいます。
このかじ屋、死んでから天国にいくと、番人が知らないので入ることができません。そこで地獄にいくが、前に悪魔はさんざんな目にあっているので、ここにもはいることができず、かじ屋は天と地の間をウロウロ。
暗い晩には、それが光って人だまとしてみえるという。
おじいさんの語り口が楽しい。男性が語ったら楽しそうです。
ところで、かじ屋は鋤や鍬、蹄鉄など農作業に欠かせないものを作ったり、修理するので、昔話にはどうしても欠かせないものだったに違いありません。
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