はなのすきな おじいさん/脚本・小林純一 画・小谷野半二/童心社/1998年(12場面)
中国の昔話。1964年発行。1998年に復刻。
貧しい暮らしをしているのに、それはそれは花の好きな秋じいさんが いました。
秋じいさんは、村の人に、花をおったりしないよう、ていねいにあたまをさげ、村の人の理解もありました。
この庭に目をつけた、ならずものの張おやぶんたちが、庭をとりあげてやろうと、やってきて、秋おじいさんをなぐったり、そこらじゅうの花を折ったり、さんざんあばれていきました。
秋おじいさんが、涙を流して悲しんでいると花の精があわわれ、花をもとどおりにすると、どこかへ きえていました。
ところが、張おやぶんの密告で、折れた花をもとどおりにした魔法をつかったと、役人につかまってしまいました。
張おやぶんたちが花見にいくと、咲いていた花は地面に落ちしまって ひとつものこっていませんでした。それだけでなく、風とともに、むすめがあらわれ、そでを ひらひらさせると、張おやぶんたちは、でんきにでも うたれたように ぴりーっと しびれるのです。そして、いっぱいつきでている枝に 顔を ひっかれたり、ねっこにつまずいて、すってんころりん。
張おやぶんたちの わるいことが ばれたので 秋おじいさんは、牢屋からだされて、うちにかえってきました。そののち、秋おじいさんは自分の庭を みんなの公園にして、美しい花と、きんじょのこどもたちにかこまれながら たのしくくらしました。
勧善懲悪が はっきりしていて わかりやすい話です。だいぶ古い出版ですが、昔話は時代の変化にも左右されないものがあります。