きつねのゆうしょくかい/安房 直子・文 菊池 恭子・絵/講談社/1996年初版 1969年初出
あたらしいコーヒーセットを買ってもらったきつねのおんなのこが、お父さんに、どうしても夕食会を開きたい、人間をまねきたいというお願いをします。
子どものいうことは何でも聞いてあげるやさしい父さんきつねは、人間に化けて、声をかけますが、声をかけられた人はびっくりして、相手にしてくれません。
夕暮れ、青白い蛍光灯をつけた「でんきや」という店にひかれて、店にはいるとそこのご主人は、いつかコーヒーセットを売ってくれた男。
男はすきなときにすきな店を開くという。
きつねのお父さんはチャイムをかいますが、店のご主人はチャイムを取り付けるために、キツネの家にむかいます。
店の主人が、お客の一号になりますが、チャイムの効果なのか、子どもを連れた女の人、おしろいを真っ白につけた女の子もやってきます。
やがて夕食会も佳境ですが・・・・。
ところで、この日の夕食会のメニューは、にわとりのまるやき、キノコサラダ、落ち葉で焼いたおいも、クルミ入りのおもち、お茶と焼きリンゴ、おさけまでついています。
藤田浩子さんが、語りは騙りといっていますが、化かされる楽しさを味わえる、なんとも微笑ましくかわいらしい話です。
ところがなぜか、お母さんがでてきません。何も書かれていませんが、多分、遠くに外出していたのでしょう。
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