どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

みそマメつき・・佐賀

2024年04月26日 | 昔話(九州・沖縄)

     佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年

 

 むかし、兄妹が、二番がくさん(二番目のおかあさん)に、マメをにていた大釜につきおとされ、かわいそうに死んでしまいました。ふたりは、裏薮にうめられましたが、そこから一本の青竹が芽を出してのびました。

 ひとりの虚無僧が兄妹のうちの前で尺八を吹いていたが、はたと音が出ない。裏の竹藪を見ると、そこに一本のいい青竹があった。その青竹をゆずってもらい、尺八を作ってみたら、前よりもいい音が出た。

 この虚無僧が京のはたごのまえで尺八を吹くと、京の町へ商いに来ていた兄妹のとうちゃんが聞くと、「おとっちゃん、京のすずりも何になろう。おとっちゃん、京のかがみも何になろう。まま母おそろし、チンチロリン。」とすすり泣きする、我が子の声が聞こえてきた。京のみやげに、兄はすずり、妹は かがみをほしがっていました。

 とうちゃんはいそいで家に帰ったが、わが子の姿がみあたらない。二番がくさんがいうには、はやり病にかかって死んだという。四、五日たって、裏の竹藪にいってみると、根元から一尺ばかりのこっていた竹の中から、「おとっちゃん、京のすずりも何になろう。おとっちゃん、京のかがみも何になろう。まま母おそろし、チンチロリン。」と、京で聞いた虚無僧の尺八の音色と おなじ、わが子のすすり泣く声が聞こえてきた。

 

 昔話には、悪役?のまま母がよくでてきますが、”二番がくさん”とよぶのは、はじめて。

 継母があれば継父もありますが、こちらのほうはほとんど見たことがありません。同じように後妻があるなら後夫もありそうですが、こちらもみたことがありません。


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