酵素狙い、がん転移抑制 マウスで、薬剤開発に道
臨床 2016年1月12日 (火)配信共同通信社
新たな血管の形成に関わる特定の酵素を働かなくして、がんの転移を抑制することに近畿大の杉浦麗子(すぎうら・れいこ)教授(ゲノム創薬)のチームがマウスの実験で成功し、英科学誌電子版に8日発表した。血管を通じたがん細胞への栄養供給が減少したためとみられる。
チームによると、酵素は「PKN3」と呼ばれ、人の体内にもあり、がん細胞の内部に多く存在するという。杉浦教授は「酵素の働きを弱め、がん転移を抑える薬剤の開発につなげたい」と話している。
チームは、遺伝子操作でPKN3が働かないようにしたマウスの静脈内に、皮膚がんの一種「悪性黒色腫(メラノーマ)」の細胞を注入。正常なマウスにも注入し、がん細胞が肺にどれぐらい転移するかを比較した。
5匹ずつ調べた結果、PKN3が働かないマウスでは、転移したがん細胞の数が平均で6分の1ほどに抑えられた。
杉浦教授は「がん細胞はPKN3を使って新しい血管を作り、移動や栄養補給に利用しているのだろう」と説明した。
注)英科学誌はサイエンティフィック・リポーツ
臨床 2016年1月12日 (火)配信共同通信社
新たな血管の形成に関わる特定の酵素を働かなくして、がんの転移を抑制することに近畿大の杉浦麗子(すぎうら・れいこ)教授(ゲノム創薬)のチームがマウスの実験で成功し、英科学誌電子版に8日発表した。血管を通じたがん細胞への栄養供給が減少したためとみられる。
チームによると、酵素は「PKN3」と呼ばれ、人の体内にもあり、がん細胞の内部に多く存在するという。杉浦教授は「酵素の働きを弱め、がん転移を抑える薬剤の開発につなげたい」と話している。
チームは、遺伝子操作でPKN3が働かないようにしたマウスの静脈内に、皮膚がんの一種「悪性黒色腫(メラノーマ)」の細胞を注入。正常なマウスにも注入し、がん細胞が肺にどれぐらい転移するかを比較した。
5匹ずつ調べた結果、PKN3が働かないマウスでは、転移したがん細胞の数が平均で6分の1ほどに抑えられた。
杉浦教授は「がん細胞はPKN3を使って新しい血管を作り、移動や栄養補給に利用しているのだろう」と説明した。
注)英科学誌はサイエンティフィック・リポーツ