母乳研究し粉ミルク開発 1200人対象に調査 〈生活ビジネス最前線〉全国の母親から集めた母乳を研究し製品開発に生かしている「ビーンスターク・スノー」
その他 2016年1月27日 (水)配信共同通信社
雪印メグミルクグループのビーンスターク・スノー(東京)は、赤ちゃんのいる母親から母乳を集め、学術的な成分研究を行い、より母乳に近い粉ミルクの製品開発に役立てている。
これまで1960年と89年に、産科医師などの協力で全国規模の調査を実施。4千人以上の母親から母乳を集めた。昨年9月にスタートした第3回調査では、1200人の母親から5千のサンプルを集める計画だ。
「赤ちゃんは生まれてから1年で体重が約3倍になり、人間の一生で最も劇的に成長する。この時期に栄養源になる母乳を研究することで、健康な発育のために必要な多くの知識を得ることができる」と、調査を担当する商品開発部副部長で農学博士の中埜拓(なかの・たく)さんは意義を強調する。
過去の調査で、母乳には、免疫力が弱い赤ちゃんを感染症から守るため、さまざまな免疫成分が含まれていることを解明。こうした成分を強化した粉ミルクを発売した。
また、魚を食べる量が減ったことが母乳の成分に影響し、脳や神経系の発達に必要なドコサヘキサエン酸(DHA)の含有量が減っていることを発見。母親向けのDHAサプリメントの商品化につなげた。
第3回調査では、食事だけでなく、母親のさまざまな生活習慣と母乳成分との関係も分析する予定。さらに数年間にわたって、子どもの発育状況や病気の発症などを追跡調査し、乳児期に飲んだ母乳との関連を調べる計画だ。
最近は、母乳で赤ちゃんを育てる良さが強調されるあまり、母乳とうたった商品がインターネットで販売される危険な事態も起きている。中埜さんは「母乳が出ない母親に、安心して使ってもらえる粉ミルクを提供することで、ストレスのない育児を支えていきたい」と話す。
その他 2016年1月27日 (水)配信共同通信社
雪印メグミルクグループのビーンスターク・スノー(東京)は、赤ちゃんのいる母親から母乳を集め、学術的な成分研究を行い、より母乳に近い粉ミルクの製品開発に役立てている。
これまで1960年と89年に、産科医師などの協力で全国規模の調査を実施。4千人以上の母親から母乳を集めた。昨年9月にスタートした第3回調査では、1200人の母親から5千のサンプルを集める計画だ。
「赤ちゃんは生まれてから1年で体重が約3倍になり、人間の一生で最も劇的に成長する。この時期に栄養源になる母乳を研究することで、健康な発育のために必要な多くの知識を得ることができる」と、調査を担当する商品開発部副部長で農学博士の中埜拓(なかの・たく)さんは意義を強調する。
過去の調査で、母乳には、免疫力が弱い赤ちゃんを感染症から守るため、さまざまな免疫成分が含まれていることを解明。こうした成分を強化した粉ミルクを発売した。
また、魚を食べる量が減ったことが母乳の成分に影響し、脳や神経系の発達に必要なドコサヘキサエン酸(DHA)の含有量が減っていることを発見。母親向けのDHAサプリメントの商品化につなげた。
第3回調査では、食事だけでなく、母親のさまざまな生活習慣と母乳成分との関係も分析する予定。さらに数年間にわたって、子どもの発育状況や病気の発症などを追跡調査し、乳児期に飲んだ母乳との関連を調べる計画だ。
最近は、母乳で赤ちゃんを育てる良さが強調されるあまり、母乳とうたった商品がインターネットで販売される危険な事態も起きている。中埜さんは「母乳が出ない母親に、安心して使ってもらえる粉ミルクを提供することで、ストレスのない育児を支えていきたい」と話す。