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E型肝炎が過去最多 豚肉で感染、加熱不十分

2016年08月03日 22時06分04秒 | 医療情報
E型肝炎が過去最多 豚肉で感染、加熱不十分
2016年8月3日 (水)配信共同通信社

 豚肉の生食などを通じて感染するE型肝炎の感染者が今年に入って増加し、国に届け出が義務付けられてから過去最多だった昨年の212人を既に上回ったことが2日、国立感染症研究所の調べで分かった。

 感染源が推定できた症例のうち半数は豚肉で、レバーや生肉を食べた人もいた。加熱調理や感染防止策の不徹底などが考えられるという。

 感染研の最新のまとめによると、報告のあった感染者は7月24日現在で241人となった。東日本が多く、北海道が79人と約3分の1を占めた。東京28人、神奈川19人、群馬13人、千葉12人、埼玉11人と続く。

 E型肝炎ウイルスの予防のため、豚の生肉は2015年6月、飲食店での提供が禁止されたが、今年の感染者もこれまでに推定された感染源は豚肉が最も多かった。ほかはイノシシやシカなどで昨年までと傾向は同じだった。

 性別では男性が8割程度。感染は確認されたが、発熱や黄疸(おうだん)など肝炎の症状が出ていない人の割合が増えた。

 感染研の石井孝司(いしい・こうじ)室長は、E型肝炎の認知度が上がり、検査キットへの保険適用などで検査数が増えた可能性もあるとみている。ウイルスの感染状況に対する全国的な調査は進んでおらず「国が積極的にウイルスの検査をすることが必要だ」と指摘している。
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府警OB、相次ぎ介入 「医院食い物に」

2016年08月03日 22時01分07秒 | 
府警OB、相次ぎ介入 「医院食い物に」
2016年8月3日 (水)配信共同通信社

 大阪市浪速区の歯科医院を巡る診療報酬の不正受給事件では、大阪府警の捜査4課と捜査1課のOB2人が相次いで詐欺容疑で逮捕された。それぞれのグループが架空請求のトラブルをきっかけに介入し、利得を求めた構図が浮かぶ。逮捕者は計18人に上り、医院関係者は「府警OBらに食い物にされた」とこぼした。

 府警は3日、捜査1課OBの元警部補小川光正(おがわ・みつまさ)容疑者(68)ら3人を送検した。

 「知らない診療通知が届いた」。徳島市の医療法人理事長の歯科医師賀川幸一郎(かがわ・こういちろう)容疑者(45)が運営する同医院に、患者からクレームがあったのは2014年夏ごろ。捜査関係者らによると、賀川容疑者は11年から、別の整骨院に通う患者の保険証データで架空請求を繰り返し、トラブルになった。

 悩んだ賀川容疑者が知人の男性マッサージ師(40)=詐欺容疑で逮捕後に釈放=から紹介されたのが、警察の関連団体を装い、小川容疑者が運営するNPO法人「警愛会」。同会の仲裁でトラブルは解決し、医院の運営にも関わるようになった。飲食の場では医院側に現職の警察官を紹介したとされる。

 15年春ごろ、今度は主に暴力団事件を担当する捜査4課OBの元巡査部長今野作治(こんの・さくじ)容疑者(56)らのグループが賀川容疑者に迫った。「勝手に名前を使っただろ。どういうことか」。警備や経営コンサルタントを行う会社を経営していた今野容疑者は、医院の架空請求を知り、因縁を付け現金を繰り返し要求した。

 賀川容疑者は再び警愛会に仲裁を依頼。「対策費として数千万円を支払った」というが、結局、運営の主導権は今野容疑者が握り、同年7月に「医院はうちがやらせてもらう」とグループのメンバーを送り込んだ。

 府警によると、医院を巡る架空請求は患者200人分の計約610万円に上り、多くが今野容疑者側に渡った。ある捜査幹部は「4課OBと1課OBが綱引きをして、4課側が勝ったということだ」と自嘲気味に話す。

 賀川容疑者は逮捕前の取材にため息を漏らし、こう語った。「府警OBの肩書を頼ったが、結局双方のグループに食い物にされただけだった」
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記憶の連動、仕組み解明 PTSD治療に応用も

2016年08月03日 07時14分18秒 | 医療情報
記憶の連動、仕組み解明 PTSD治療に応用も
2016年8月2日 (火)配信共同通信社

 大地震で被災した日の食事内容を覚えていることが多いように、強い精神的ショックを受けた前後のささいな出来事が長く記憶される仕組みがマウスの実験で分かったと、富山大などのチームが1日付の英科学誌に発表した。それぞれの出来事を記憶する脳の神経細胞集団が重なることが原因という。

 つらい記憶が突然よみがえる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状は、ささいな記憶が引き金になることもある。チームの井ノ口馨(いのくち・かおる)・富山大教授(脳科学)は「トラウマ記憶と別の記憶を引き離す手法が開発されれば、PTSDの治療につながる」と期待している。

 チームはマウスに新しいおもちゃを与え、反応を調べた。マウスにとってはささいな出来事で、1日後にはおもちゃのことを忘れたが、おもちゃを与える前後1時間以内に、圧迫感のある狭い箱に入れてマウスに強いストレスを加えると、おもちゃを覚えていた。

 異なる二つの出来事は、マウスの脳内で別々に記憶されることが多いが、強いストレスを経験したマウスの脳の海馬で神経細胞を調べると、二つの出来事を記憶した細胞の領域の大部分が重なっていたという。

 注)英科学誌はネイチャーコミュニケーションズ
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医療費負担増、すぐそこ 国が議論本格化 進む高齢化、サービス縮小も

2016年08月03日 00時39分59秒 | 行政
医療費負担増、すぐそこ 国が議論本格化 進む高齢化、サービス縮小も
2016年8月1日 (月)配信毎日新聞社

 厚生労働省は医療と介護の負担増の議論を本格化させている。社会保障審議会医療保険部会は今月14日、高齢者の医療費負担増の議論をスタート。20日には介護保険部会が掃除などの生活援助のサービス縮小に向けた具体的な議論を始めた。【細川貴代、鈴木直】

 ◇70歳以上の高額療養費

 医療の負担増では、病院の窓口で支払う自己負担に上限額を設ける「高額療養費制度」のうち70歳以上の高齢者の負担増が焦点だ。

 高額療養費制度は、家計の医療費負担が過重にならないよう患者が1カ月に病院の窓口で支払う自己負担に限度額を設ける仕組みだ。限度額は年齢や所得に応じて設定されており、70歳未満よりも70歳以上の方が負担が軽い。

 例えば、1カ月の医療費が100万円の場合、70歳未満は3万5400円~約25万4000円だが、70歳以上なら入院で最高8万7430円で、外来は4万4400円で済む。これをどの程度引き上げるのか、年内に結論を出す。

 高齢者医療では、75歳以上の後期高齢者の窓口負担の見直しも検討している。医療費の自己負担割合は年齢で異なり、75歳以上は1割(年収約370万円以上の現役並み所得者は3割)。これは2018年度までに結論を出す予定だ。

 このほか、高齢者に限らず入院時の患者の光熱水費の自己負担引き上げや、かかりつけ医以外の医療機関を受診した場合に新たに負担を導入することなども検討し、今年末までに結論を出すことにしている。

 ◇介護軽度者の生活援助

 介護保険部会は2月から18年度の介護報酬改定に向けた制度改正の検討を進めてきた。参院選終了後の20日から、負担増の議論に入った。同日は厚労省が、要介護度の低い軽度者に対する掃除や調理など生活援助と福祉用具レンタル・住宅改修の費用について論点を示した。

 生活支援や福祉用具レンタルなどについては、重症化を防いで自立した生活の維持に必要だとの考え方がある。しかし、政府は昨年12月に、保険料負担の上昇を抑えるために「軽度者へのサービスの縮小」の方針を決定した。

 介護サービスを受ける時、利用料の原則1割を利用者が負担する。厚労省は、要介護1、2の人については利用者負担を増やすことなどを想定している。

 同部会は今後、サービス利用料の自己負担割合を2割とする人の拡大や、自己負担が高額になった時に一部が払い戻される「高額介護サービス費」制度の上限引き上げなどについても議論。厚労省は年内に結論を出し、来年の通常国会での関連法案提出を目指している。

 ◇増え続ける財政負担

 高齢化によって医療・介護ともに財政負担は増えている。13年度の国の医療費総額は40兆610億円で、このうち後期高齢者医療費の割合は32・7%を占める。また、医療技術の進歩で高度な医薬品が増えたことなどから高額療養費制度の利用も伸びており、13年度の支給件数は5406万件、支給額は2兆2200億円となっている。

 一方、高齢化によって介護費用も大きくなっている。介護費用額は制度発足の00年度は3・6兆円だったが、16年度は10兆円を超える。これに伴い高齢者の保険料(全国平均)は2911円から5514円まで上昇している。25年度は介護費用は倍の20兆円、保険料は8000円を超えると推計されている。

 ◇食費など来月から増額 介護保険施設 低所得の入所者

 特別養護老人ホーム(特養)など介護保険施設に入所する低所得者の一部で、8月から食費や居住費の負担が増加する。遺族年金と障害年金が収入として算定対象に加えられる。年金収入を含む合計所得が年80万円を超えると、最大で月3万円以上負担が増えそうだ。推計で約15万人に影響があるとみられる。

 市町村民税世帯非課税の低所得の入所者の食費や居住費は収入などに応じて3段階の軽減措置がある。遺族年金、障害年金は非課税のため、軽減の判定では「収入額0」となっていた。

 障害、遺族年金収入が加わり80万円を超えた場合、老人保健施設などの従来型個室の場合、食費・居住費の月の負担額が2万7000円から6万円と最大で3万3000円増える。

 介護保険法の改正に伴い、昨年8月からは入所者の預貯金などや配偶者の所得などが資産として勘案されるようになり、推計約12万人の負担が増えている。中には補助が受けられなくなり毎月の食費・居住費の負担が倍増した世帯もあった。【有田浩子】
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トヨタの品質、医療にも ミス抑制から「撲滅」へ 名大病院で異色の講座 「医療新世紀」

2016年08月03日 00時13分06秒 | 
トヨタの品質、医療にも ミス抑制から「撲滅」へ 名大病院で異色の講座 「医療新世紀」
2016年8月2日 (火)配信共同通信社

 「世界のトヨタ」が誇る品質管理の手法を医療にも―。名古屋大病院が昨年から医療の質向上に向けたユニークな講座を開いている。これまで各地の医師約40人が参加。講師役のトヨタ自動車関係者から「ミスは減らすのではなく撲滅を」と教え込まれ、それぞれ勤務する病院で医療安全の実現を目指す。現場に「異文化」は浸透するのか。

 ▽ノウハウ活用

 名古屋市立西部医療センターの調剤室。広い部屋に大きな薬棚が10個ほど並ぶ。交代で勤務する薬剤師らは約30人。処方箋を確認し、錠剤やカプセルを患者に渡す袋に手際よく入れていく。

 扱う薬剤は大量。過去には種類を間違えるなどのミスが月に10件を超えることもあった。多くは薬が置かれた棚の場所をスタッフが思い違いしたのが原因だったという。

 改善を主導したのは、医療安全部門を担当する桑原義之(くわばら・よしゆき)副院長だ。昨年末、文字ばかりだった手順書に処方箋や薬の袋の画像を添付し、作業の流れを図示するように。薬棚のラベルも見やすくなるよう工夫を施した。

 桑原さんは今春まで、名大病院が開講した「明日の医療の質向上をリードする医師養成プログラム(ASUISHI)」に参加。トヨタグループの部品メーカーOBから「手順書は誰もが一目で分かる内容に」と指導を受け、早速改めた。

 薬棚の見直しは、同OBの視察を受けた後に、薬剤師ら現場スタッフから出された意見を取り入れたものだ。最近、ミスは月に2~4件に減少。ゼロまでもう一息だが、院内の安全意識が変わり始めたと感じるという。

 ▽異なる発想

 医療安全の実現に意欲的な名大病院。文部科学省の補助金事業として、全国から医師を集めたASUISHIを実施する際に、担当する医療の質・安全管理部の安田(やすだ)あゆ子(こ)副部長らが着目したのが、地元・愛知の世界的企業トヨタの「哲学」だった。

 ミスがあれば、システムや環境を検証し、真の原因を追究する。有効な対策は標準化して共有する―。世界でも評価が高いトヨタ流の品質管理の手法は、医療にも応用できると考えたという。

 昨年10月から半年間の第1期は各地の医師16人が受講し、このうち「患者安全の原則」「有害事象マネジメント」の講義など140時間の課程によるメインコースには12人が参加。トヨタの講師と一緒に各病院が実際に抱える問題の解決に挑み、実践力を身に付ける「授業」もあった。

 薬の「ミスゼロ」に挑戦した桑原さんは「従前の医療界だと、ミスを個人の責任にし『次は気を付けて』で終わりかねなかった。発生する環境や要因を徹底分析するトヨタ方式は新鮮だった」。東大阪市立総合病院から参加した山田晃正(やまだ・てるまさ)医師も「ミスを『撲滅する』はわれわれの発想とは全く違った」。

 ▽ネットワーク化

 ASUISHIは2018年度までの予定で、今年7月には23人が参加して第2期が開講した。安田さんは「トヨタと医療界では安全実現の考え方に雲泥の差がある。必要なのは組織のカルチャーを変えることだ」と強調する。

 活躍が期待される「修了生」だが「安全に関する院内の意識を自分だけで向上させるのは難しい」との声も。名大病院は、修了生が所属する医療機関をネットワーク化し、ミス対応に関する情報交換を支援する「人財ハブセンター事業」も本格化させる構えだ。

 ASUISHI外部評価会のメンバーで「医療の良心を守る市民の会」の永井裕之(ながい・ひろゆき)代表は「患者の立場からすれば当然の安全面の対策は、これまで後回しにされてきた。取り組みの広がりに期待したい」と話す。
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