あさイチ(NHK) 2012年7月13日(金)放送
晴れ、気を付けないと熱中症に!かくれ脱水にご用心
熱中症といえば、高熱が出るイメージがりますが、実は、体の中では水分が失われる脱水が、最初に起こる病気なんです。
この脱水状態は、最初のうちは気づきにくくいので、脱水に気付かない状態を「かくれ脱水」と名付け、専門家たちが注意を呼びかけています。
熱中症は人によって進行度が違いますが、必ず最初の段階で「かくれ脱水」が起こります。そのためかくれ脱水の段階で早めに対応すれば熱中症はかなり防げるといいます。
さらに夏バテもかなりの頻度で「かくれ脱水」が原因にあるそうです。体の中の体液が減ると消化器への水分が減るので、食欲が減ったり消化機能が落ちてすぐにおなかを壊したりします。まさに夏バテの状態が「かくれ脱水」の場合が多いのです。
ではどうすれば「かくれ脱水」を見つけることができるのでしょうか?熱中症対策に詳しい、神奈川県立保健福祉大学栄養学科教授の谷口英喜さんに 教えていただきました。
<かくれ脱水や脱水状態を見分ける方法>
1 握手をする
握手をして手が冷たくなっている場合、体の水分が足りない可能性があります。循環が悪くなると手が冷たくなるので、脱水状態のサインになります。
2 手の親指の爪を押す
親指の爪を白くなるまでギュッと押してから離し、元のピンク色に戻るまでに3秒以上かかる場合、脱水状態になっている可能性があります。
3 手の甲の皮膚を引っ張る
手の甲の皮膚を引っ張り、元の状態に戻るまで3秒以上かかる場合、脱水状態が疑われます。
4 舌の状態をみる
脱水状態になると舌の表面がザラザラしたり、赤黒い色になります。
体調が悪くてこれら1つでも当てはまる場合は、脱水の対策が必要です。
<脱水状態時の対策>
まず「経口補水液」などで水分補給をすることが必要です。
水やお茶には電解質が足りないので、水分だけを補給しても完全には治りません。脱水が進んだ時は、水だけよりも体に必要なナトリウムイオンなどの電解質がバランスよく含まれている、「経口補水液」が効果的です。
「経口補水液」は家庭でも簡単に作れますので、作り方をご紹介します。
◆脱水状態に最適な経口補水液の作り方
<材料>
・水・・・1リットル
・塩・・・小さじ1/2(3g)
・砂糖・・・大さじ4と1/2(40g)
これらをしっかり溶けるまで混ぜれば完成です。
健康な人にとってはあまりおいしくない飲み物だと思いますが、脱水状態の人が飲むとすごくおいしく感じるそうです。
飲みにくい人は、レモン1/2個分を絞った汁を加えるのがオススメです。
経口補水液は一気に飲まずに、コップ1杯分を30分かけて飲むのが目安です。作ったその日の内に飲んでください。
熱中症は経口補水液を飲めば防げる病気なので、熱中症対策のためにかくれ脱水の段階で十分な対応を取ってください。