【山形】余った“薬”無駄にせず 県薬剤師会、回収袋の普及呼び掛け
2016年8月22日 (月)配信山形新聞
病院で処方された薬が余っていませんか? 薬の適正な服用を促そうと、県薬剤師会(東海林徹会長)が残薬を確認し回収するバッグを作成し1年経過したが、なかなか普及していない。各薬局では残薬のチェックだけでなく、サプリメントなどとの飲み合わせについての相談も受け付けており、「気楽に利用してほしい」と呼び掛けている。
「残薬バッグ」は米国で始まった活動で、処方薬や市販薬、サプリメント、健康食品の相互作用、重複投与の有無を確認する狙いがある。
同会は昨年7月から、薬局約220カ所と連携して取り組んでいる。具体的には、飲まなくなって余ってしまった処方薬などをバッグに入れていけば、中身をチェックし、廃棄や、別の機会に服用可能などの助言をしてくれたりする。多くの薬を飲んでいる場合の服用の仕方などのアドバイスも行う。
県薬剤師会では今年2月までに約70件を引き受けたが、残薬バッグが持ち込まれた薬局は16カ所にとどまり、賛同した薬局の1割にも満たなかった。運動をPRするポスターを薬局内に掲示したり、ちらしをイベントで配ったりしたが、なかなか普及が進まないという。
薬局持ち込み―相談をどうぞ
一方、利用者からは「医師に言えなかったので助かった」「飲み方を指導してもらえて良かった」と好感触だった。持ち込んだ約9割が高齢者。余った理由は「飲み忘れ」が半数以上で、中には目薬を40本以上持っていたり、20万円相当以上の薬をため込んでいたりする人もいた。
現代は高齢者の9割以上が日常的に薬を服用している。医療費は年々膨らみ、2014年度は40兆円で、調剤がその18%を占めている。
患者が勝手に薬の使用量を調節すれば、薬効が正しく発揮されず、長く症状に悩むことにもなる。多くの薬を服用していると、服用する薬の種類や時間、タイミングが複雑で、手に負えなくなる場合もある。
残薬のチェックはほとんどが30分以内で済む。担当した源泉堂薬局(山形市五十鈴1丁目)の守谷梓薬剤師は「信頼できる薬剤師を見つけ、なんでも相談してほしい。服用を途中でやめたくなったら自己判断せず、専門家に聞いてほしい」と話している。
2016年8月22日 (月)配信山形新聞
病院で処方された薬が余っていませんか? 薬の適正な服用を促そうと、県薬剤師会(東海林徹会長)が残薬を確認し回収するバッグを作成し1年経過したが、なかなか普及していない。各薬局では残薬のチェックだけでなく、サプリメントなどとの飲み合わせについての相談も受け付けており、「気楽に利用してほしい」と呼び掛けている。
「残薬バッグ」は米国で始まった活動で、処方薬や市販薬、サプリメント、健康食品の相互作用、重複投与の有無を確認する狙いがある。
同会は昨年7月から、薬局約220カ所と連携して取り組んでいる。具体的には、飲まなくなって余ってしまった処方薬などをバッグに入れていけば、中身をチェックし、廃棄や、別の機会に服用可能などの助言をしてくれたりする。多くの薬を飲んでいる場合の服用の仕方などのアドバイスも行う。
県薬剤師会では今年2月までに約70件を引き受けたが、残薬バッグが持ち込まれた薬局は16カ所にとどまり、賛同した薬局の1割にも満たなかった。運動をPRするポスターを薬局内に掲示したり、ちらしをイベントで配ったりしたが、なかなか普及が進まないという。
薬局持ち込み―相談をどうぞ
一方、利用者からは「医師に言えなかったので助かった」「飲み方を指導してもらえて良かった」と好感触だった。持ち込んだ約9割が高齢者。余った理由は「飲み忘れ」が半数以上で、中には目薬を40本以上持っていたり、20万円相当以上の薬をため込んでいたりする人もいた。
現代は高齢者の9割以上が日常的に薬を服用している。医療費は年々膨らみ、2014年度は40兆円で、調剤がその18%を占めている。
患者が勝手に薬の使用量を調節すれば、薬効が正しく発揮されず、長く症状に悩むことにもなる。多くの薬を服用していると、服用する薬の種類や時間、タイミングが複雑で、手に負えなくなる場合もある。
残薬のチェックはほとんどが30分以内で済む。担当した源泉堂薬局(山形市五十鈴1丁目)の守谷梓薬剤師は「信頼できる薬剤師を見つけ、なんでも相談してほしい。服用を途中でやめたくなったら自己判断せず、専門家に聞いてほしい」と話している。