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働き方改革、本格始動 厚労省、大規模な組織再編

2016年08月29日 19時15分40秒 | 行政
働き方改革、本格始動 厚労省、大規模な組織再編
2016年8月29日 (月)配信共同通信社

 安倍政権が最大のチャレンジと位置付ける「働き方改革」が9月から本格始動する。新たな事務組織が来週にも発足し、有識者会議も9月下旬の初会合に向けて人選が大詰めだ。厚生労働省は、非正規労働者対策を担う局を新設するなど大規模な組織再編を準備。だが態勢づくりが進む一方で、政府内の主導権争いもあり、省庁間の連携に不安を残す。

 内閣官房に事務局として設置される推進室には厚労省や内閣府、経済産業省など各省庁から数十人が担当に充てられる見通しだ。安倍晋三首相は来年3月までの実行計画策定を指示しており、推進室が実動部隊となる。

 計画を検討する有識者らの「実現会議」は、経団連の榊原定征(さかきばら・さだゆき)会長や連合の神津里季生(こうづ・りきお)会長ら労使代表をはじめ、正社員と非正規の不合理な待遇格差をなくす同一労働同一賃金に詳しい東大の水町勇一郎(みずまち・ゆういちろう)教授らの参加が見込まれる。9月から月1回ペースで議論する。

 計画を実行に移す厚労省は働き方改革に特化した組織を来年度に新設する方針だ。現在三つの局に分散している非正規労働者対策を、新設する「雇用環境・均等局」(仮称)に一本化。同一労働同一賃金や長時間労働の是正、女性活躍推進を担当する。

 若者の就労支援や人材育成などを進める「人材開発局」(同)や、子ども・子育て支援に特化した「子ども家庭局」(同)の新設も目指す。8月末に内閣人事局に要求を出し、設置に向け年末に最終調整する。

 態勢づくりは進むが、政府内では「どう連携するのか分かりにくい」との声が漏れる。厚労省の組織再編に対し、与党からは「官邸や内閣官房に雇用政策の主導権を奪われないための防衛策」との見方も。地方創生、1億総活躍、働き方改革と政権の看板政策は次々と変わり「組織をつくってもいつまで続くのか」と、政府関係者は冷めた受け止め方をしている。
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残業上限規制、導入に意欲 加藤氏、働き方改革で

2016年08月29日 19時14分26秒 | 行政
残業上限規制、導入に意欲 加藤氏、働き方改革で
2016年8月29日 (月)配信共同通信社

 加藤勝信働き方改革担当相は28日のNHK番組で、長時間労働の是正に向け、残業時間に上限を設ける規制の導入を検討する考えを示した。安倍晋三首相が座長を務め、関係閣僚や有識者で構成する働き方改革に関する「実現会議」で具体化させる意向だ。

 加藤氏は現行の残業規制について「実際の規制は労働基準法にあるが、実は労使協定(三六協定)で上限なく決められる」と指摘。「時間外労働の規制の在り方を再検討したい」と意欲をみせた。

 長時間労働の是正を巡っては、現在は労使合意があれば、事実上残業が無制限となっており、上限時間の設定や超過時の罰則も検討する。

 政府は昨年、長時間労働につながる恐れがある裁量労働制の拡大などを盛り込んだ労基法改正案を国会に提出しているが、加藤氏は「法案と並行して、労働時間の是正に向けた議論を実現会議でしたい。(法案とは)矛盾はない」と述べた。
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HIVウイルスって?ヘルペスウイルスとの関係性もある?

2016年08月29日 19時10分54秒 | 医療情報
HIVウイルスって?ヘルペスウイルスとの関係性もある?

世界中で多くの死者を出しているAIDS。この病気は、「HIV」ウイルスに感染することで発症します。
「HIV」とは、「Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)」を指し、このウイルスがリンパ球やマクロファージ(ともに白血球の1種)に感染すると、免疫機能が低下し、さまざまな病気を発症するようになります。この病気の状態が「AIDS(Acquired Immuno-Dediciency Syndrome)」(後天性免疫不全症候群)です。

近年では、治療薬の開発が進み、早期に服薬治療を受ければ、免疫力を落とすことなく、通常の生活を送ることもできるようになってきています。しかし、いまだに深刻な感染症のひとつであることに変わりはなく、感染の予防は重大な課題となっています。

このHIVの主な感染経路には、「性的感染」「血液感染」「母子感染」が挙げられます。
「性的感染」で最も多いのは、性行為による感染です。「血液感染」は、輸血や注射器、医療現場での針刺し事故などから、感染者の血液が他者の血管中に侵入することにより起こります。「母子感染」は、母親がHIVに感染している場合、出産時の産道からの感染、母乳による感染、胎内感染が考えられます。

互いに影響しあうHIVウイルスとヘルペスウイルス

HIVウイルスへの感染と関係が深いといわれているのが、「単純ヘルペス2型」ウイルスです。

「単純ヘルペス2型」ウイルス(HSV-2)は性器ヘルペスの原因となるウイルスで、主に性交渉により感染し、極めて高い感染力を持っています。同じ「ヘルペス」ウイルスでも、帯状疱疹を発症させるウイルス(VZV)とは種類の異なるものです。

そして、HSV-2とHIVは互いに影響を与えあうことが分かっています。

HSV-2は、HIV感染者の60~90%が感染しており、HSV-2に感染すると、HIVへの感染率も高くなります(WHO Herpes simplex virus Fact sheet N400 2015より)。これは、性器ヘルペスを発症していると、性器の炎症部分からHIVウイルスに感染しやすくなるため、と考えられます。

また反対に、HIVへの感染がHSV-2の発症の原因となることもあります。HIV感染したことによる免疫不全が原因で、性器ヘルペスの再発のサイクルが短くなり、頻繁に発症するようになります。

予防・早期発見に心がけましょう

HIV(エイズウイルス)、ヘルペスウイルスのどちらに感染していても、お互いに感染しやすくなってしまいます。HIVはコンドームなしの性行為で感染することが多いと言われています。そして、性器ヘルペスも主に性行為で感染します。セックスの相手の性器にできていたヘルペスだけでなく、口唇ヘルペスのウイルスがオーラルセックスなどで性器に感染し、性器ヘルペスを発症することもあります。

現在では、体の中にあるHIVを完全に取り除くことはできません。ただ、さまざまな治療薬の開発により、体内にいるHIVの増殖を抑え、免疫力を維持することは可能になっています。たとえ感染しても、適切な治療を継続して行えば、普通の生活を送ることもできるようになっています。ただし、これには、早期発見することが大切です。エイズ発症後では、治療はかなり難しくなります。HIVの検査は、全国の保健所で「匿名」「無料」で受けることができるので、少しでも疑いがあったら、検査を受けるようにしましょう。

http://www.health.ne.jp/library/5000/w5000781.html
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夏野菜の秘めたるパワー

2016年08月29日 16時54分38秒 | 
夏野菜の秘めたるパワー

今年の夏は例年にない酷暑が続く。でも、暑いからといってそうめんやそば、冷奴といった冷たいものだけですませていると夏バテしてしまう。炒め物や煮物といった熱い料理も必ず食卓に並べ、野菜や水分を十分に摂ることが必要である。
食欲がないときは、酸味をきかせる味付けにしたり、シソやみょうがなどの香味野菜やハーブを利用するとよい。疲れやすい夏は、普段以上にしっかり栄養を摂る必要がある。今回は夏を乗り切るパワーの源、夏野菜を紹介しよう。

不足しがちなビタミンを補給

暑さに対する抵抗力をつけるビタミンC。糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB1。カロテンやビタミンEには、老化防止や抗酸化作用がある。ビタミン類が豊富な夏野菜はコレ!

●トマト リコピン
夏に威力を発揮する成分:ビタミンC、カロテン、抗酸化作用の強いリコピンなどが豊富。食べられる野菜として普及したのは19世紀と歴史は浅いが、いまや世界中で愛されている。
上手な使い方マメ知識
トマトには、昆布と同じ旨み成分、グルタミン酸が含まれているので、スープや煮込み料理をよりおいしくしてくれる。ヨーロッパには「トマトのあるところに料理のへたな人はいない」ということわざがあるほど。

●ニガウリ(ゴーヤー、ツルレイシ) ビタミンC
夏に威力を発揮する成分:ビタミンC、B1、カロテン、カリウム、リン、鉄分、食欲を増進し整腸作用のある苦味成分モモルデシン。ニガウリのビタミンCは加熱してもほとんど壊れないのが特徴。
上手な使い方マメ知識
特有の苦味が気になる人は、薄切りして塩もみする(丸ごと板ずりしてもOK)、さっとゆがく、水でさらすなどするとよい。

●ピーマン ビタミンC
夏に威力を発揮する成分:ビタミンC、カロテン、食欲を増進し血行をよくする辛味成分カプサイシン。パプリカ、シシトウや唐辛子もピーマンの仲間。
上手な使い方マメ知識
油を使って調理すると、色や香りがよくなるとともにビタミンAの吸収力がよくなる。保存方法によっては低温障害が起きるので、保存場所は7~8℃くらいを目安に。

●カボチャ カロテン 
夏に威力を発揮する成分:カロテン、ビタミンB1、B2、C、E。緑黄色野菜の代表格。食物繊維も多い。
上手な使い方マメ知識
日本カボチャはしっとりしているが味が淡白なので、煮物や蒸し物が向く。西洋カボチャは甘みとホクホク感があり、汁物や天ぷら、パイなどがオススメ。

夏バテ防止のムチンが豊富

ヌルヌル、ネバネバした夏野菜は夏バテ防止に効く。粘りの主成分である「ムチン」は、胃の粘膜を保護したりたんぱく質の消化吸収を助けるほか、疲労回復や肌の老化防止など、さまざまな作用がある。

●オクラ
夏に威力を発揮する成分:ムチン、ペクチン、カロテン、ビタミンB1、B2、Cのほか、カルシウム、リン、鉄などミネラルも豊富。
上手な使い方マメ知識
ぬめり成分は組織を破壊するほど増すので、できるだけ細かく刻むとよい。長く火を通すと外に溶け出してしまうので、生食かさっとゆがく程度に。

●モロヘイヤ
夏に威力を発揮する成分:ムチン、ビタミンB1、B2、C、E、K、カロテン。カルシウム、鉄、マグネシウムなどミネラルも豊富。アラビア語で「王様の野菜」という名前にふさわしく、他の緑黄色野菜と比べ群を抜いて栄養価が高い。
上手な使い方マメ知識
オクラと同様、なるべく細かく刻んで使うのがよい。鉄やカルシウムの吸収をさまたげるシュウ酸が含まれているので、下ゆでした後は水にさらし、あく抜きしてから用いるのがよい。

水分補給の強い味方!

夏の水分不足は、脱水症状や熱中症の原因になる。水分をたっぷり含んでおいしい夏野菜は、水分補給にぴったり。冷たいドリンクをがぶ飲みするより、野菜を食べよう。

●キュウリ
夏に威力を発揮する成分:96%を占める水分、ビタミンC。渇きを癒し、利尿効果があることで知られる。心臓病、腎臓病、尿毒症、高血圧によい。
上手な使い方マメ知識
ビタミンCを分解する酵素アスコルビナーゼを含むので、栄養を第一に考える場合は、酢や塩で酵素のはたらきを抑えるとよい。

●ナス
夏に威力を発揮する成分:9割以上を占める水分、糖質。皮の紫色はアントシアニン系の色素。利尿作用あり。血管を強くするので、歯茎や口の中の炎症によい。
上手な使い方マメ知識
保存方法によっては低温障害が起きるので、7~10℃で保存を。果肉がしまっている丸ナスは田楽や煮物、揚げ物に、果肉が柔らかい長ナスは煮物や焼き物、漬物に向く。

流通や生産技術の発展で、一年中さまざまな野菜が手に入るようになったが、やっぱり旬のものは旬に食べるのが一番。栄養価が高いだけでなく、季節によって変化する体にふさわしい栄養がたっぷり詰まっているのだ。

ムチン

オクラ、レンコン、モロヘイヤなどの食品に含まれている成分のひとつ。ネバネバとした独特な食感の元となるだけでなく、胃の内側の粘膜を守って消化を助けてくれるはたらきがある。その他、肝臓や腎臓のはたらきをサポートしたり、細胞を活性化させて老化をふせいでくれる。熱に弱い成分のため生のまま食べるか、加熱しすぎないほうがよいといわれている。


http://www.health.ne.jp/library/5000/w5000433.html
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遺伝子治療、広がる技術 「運び屋」ウイルス使い分けや改良

2016年08月29日 16時51分18秒 | 医療情報
遺伝子治療、広がる技術 「運び屋」ウイルス使い分けや改良
2016年8月25日 (木)配信朝日新聞

 1990年に世界で初めて実施された遺伝子治療。ここ数年、欧米で治療薬が承認され、対象も遺伝病からがんに広がった。背景には遺伝子を運ぶベクター(運び屋)の改良がある。ゲノム編集の技術を利用した新たな治療の研究も進む。

 ■欧米でがんにも承認

 遺伝子治療では2012年、脂肪を分解する酵素の遺伝子に異常のある遺伝病に対する薬が欧米で初めて承認された。欧米では現在、3種の薬が承認され、遺伝病だけでなくがんへと広がっている。

 日本での承認例はまだないが、各地でベンチャー企業が設立され、研究が進む=表。7月下旬にあった日本遺伝子細胞治療学会では、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)、食道がんなどの研究成果が報告された。

 同学会理事長で大阪大の金田安史教授は「遺伝子治療は死亡例や発がんの問題で停滞した時期もあったが、長年培われた基盤技術が開花しつつある」と説明する。中でも、細胞に侵入するウイルスの性質を逆手にとって遺伝子を運ぶウイルスベクターの改良が要因として挙げられるという。

 レトロウイルスをベクターに使い、リンパ球に正常な遺伝子を送り込む初期の治療では、白血病になる患者が相次いだ。原因を調べると、遺伝子が、がんを起こす遺伝子の近くに入り込み、活性化させていたことがわかった。そこで、がんを起こす遺伝子を刺激しないよう、運び込む遺伝子の配列に改良と工夫を重ね、がんのリスクを大幅に下げることができたという。

 ウイルスについても理解が進み、選択肢が広がる。

 レトロウイルスでは難しい神経や筋肉への遺伝子導入で注目されるのが「アデノ随伴(ずいはん)ウイルス」。自治医大は昨年から、神経伝達物質のドーパミンとセロトニンを合成する酵素(AADC)が作れない難病の患者に対して、このウイルスを使って脳に直接遺伝子を入れる臨床研究を実施。歩行器を使って少しずつ歩けるようになるなどの例が確認されている。

 一方、12年に承認された薬は治療1回当たり1億円といわれる。開発や製造のコストをどれだけ下げられるかが課題となっている。

 ■ゲノム編集で修復も

 ゲノム編集の技術を利用して、遺伝子を修復したり、特定の遺伝子の働きを失わせたりする試みも始まっている。

 米サンガモ・バイオサイエンシズ社は、エイズウイルス(HIV)の感染者に対して、臨床試験を実施中だ。HIVはリンパ球の表面にあるたんぱく質を利用して細胞に侵入する。そこで感染者からリンパ球やリンパ球の元になる幹細胞を採取、この表面たんぱく質を作る遺伝子の働きを止め、HIVが感染できないようにした後に体内に戻す。エイズの発症を抑える効果が期待されている。

 京都大では全身の筋肉が衰える筋ジストロフィーで基礎研究を進める。この病気の原因遺伝子はサイズが大きく、ウイルスベクターに入れるのが難しい。そこで、患者から採った細胞でiPS細胞を作り、ゲノム編集で遺伝子を修復してから筋肉の細胞に変化させ、体内に移植する。

 東京慈恵会医科大ではB型肝炎で基礎研究を進める。B型肝炎ウイルスは感染後、ウイルスの遺伝子が核の中に長く居残る。そこで、肝臓の細胞に、ゲノム編集の「道具」を作る遺伝子をベクターで送りこむ。肝炎ウイルスの遺伝子を肝臓内で壊す作戦だ。

 ただ、今のところ狙った場所以外でも遺伝子の「編集」が起こる可能性がある。東京慈恵会医科大の鐘ケ江裕美准教授は「安全性を慎重に見ていく必要がある」と話す。

 (南宏美、瀬川茂子)

 ■国内の遺伝子治療研究の例

企業名          研究機関 対象

アンジェスMG      大阪大  重症下肢虚血

IDファーマ       九州大  網膜色素変性症など

遺伝子治療研究所     自治医大 ALS、パーキンソン病など

桃太郎源         岡山大  前立腺がんなど

オンコリスバイオファーマ 岡山大  食道がん

ジェノミディア      大阪大  メラノーマ、前立腺がんなど

 ※金田安史・大阪大教授らへの取材をもとに作製
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麻疹患者がコンサートに 拡大注意呼びかけ

2016年08月29日 16時47分40秒 | 医療情報
麻疹患者がコンサートに 拡大注意呼びかけ
2016年8月25日 (木)配信毎日新聞社

 今月14日に幕張メッセ(千葉市)で開かれた人気歌手のジャスティン・ビーバーさんのコンサートを観賞した兵庫県西宮市の男性が麻疹(はしか)に感染していたことが分かり、関係自治体が医療機関などに感染拡大に対する注意を呼び掛けている。2万5000人が来場しており、潜伏期間が終わる26日ごろまでは患者が増える可能性がある。

 西宮市などによると、男性は5日、インドネシア・バリ島から帰国。9日に39・1度の高熱、12日に発疹が出たが、麻疹と診断されずコンサートに行き、東京都内や神奈川県も訪れた。19日に麻疹の診断が確定。ワクチン接種歴はなく、現在は快方に向かっている。【山田泰蔵】
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(患者を生きる:3124)仲間と歩む 情報届けたい:5 情報編 治療法、自ら勉強し理解 前立腺がんの患者・家族の会

2016年08月29日 16時43分27秒 | 医療情報
(患者を生きる:3124)仲間と歩む 情報届けたい:5 情報編 治療法、自ら勉強し理解
2016年8月26日 (金)配信朝日新聞

 連載で紹介した兵庫県宝塚市の武内務(たけうちつとむ)さん(68)が設立した前立腺がんの患者・家族の会「腺友倶楽部(せんゆうくらぶ)」に寄せられる相談で最も多いのが、「どの治療法を選んだらよいのかわからない」だ。

 前立腺がんの治療は、前立腺をすべて摘出する手術や放射線治療、ホルモン療法がある。前立腺特異抗原(PSA)の値やがんの進行度、悪性度に基づいてリスクを分類し、治療法を決める。しかし、がんが前立腺内にとどまっているケースは、選択肢が多くなる。「選択の幅が広い分、患者は悩みやすい」と北里大学の佐藤威文(さとうたけふみ)准教授(泌尿器科)は話す。

 手術では、腹腔(ふくくう)鏡を使った場合は出血が少なく回復が早いとされる。放射線治療は、手術に比べて尿漏れや勃起不全の恐れが少ないことが利点だ。がんが前立腺の外に広がっている場合や、転移・再発がある場合は、進行を遅らせるホルモン療法があるが、長く続けると効きにくくなる。こうした患者のための新薬3種類が、2014年に保険適用となった。

 武内さんは相談に訪れた人たちに「治療法の選択で後悔しないためには、医師任せにするのではなく、患者自らが利点や難点を理解したうえで判断することが大切。患者も勉強する必要がある」と伝えている。

 ただ、ネット上の情報は玉石混交で、根拠がはっきりしないものもある。がんについては、国立がん研究センターの「がん情報サービス」や、認定NPO法人キャンサーネットジャパンの「キャンサーチャンネル」が参考になるサイトの一つだ。日本医療機能評価機構の「医療情報サービス Minds(マインズ)」は日本でつくられた診療ガイドラインを紹介しており、標準的な治療法を知ることができる。一般向けの解説も掲載している。

 全国に約400あるがん診療連携拠点病院には「がん相談支援センター」が置かれており、面談や電話による相談が無料でできる。別の医師に治療法などの意見を求める「セカンドオピニオン」という方法もある。

 佐藤准教授は「治療法は、年齢や人生観などを踏まえ、患者が医師と一緒に決めるのが基本だ。迷ったら、主治医とよく相談してほしい」と語る。(石倉徹也)

 ■ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comへお寄せください。
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(私の視点)認知症と道交法改正 診断義務化、過大な負担 川畑信也

2016年08月29日 13時26分11秒 | 
(私の視点)認知症と道交法改正 診断義務化、過大な負担 川畑信也
2016年8月27日 (土)配信朝日新聞

 道路交通法の改正で、来年3月から認知症が疑われる高齢者への対応が大きく変わる。医療現場の危惧の声を届けたい。

 75歳以上の高齢者は免許更新時に認知機能の検査を受け、1(記憶・判断力が低い)、2(少し低い)、3(問題ない)に分類される。現在は1分類の人が事故や違反をし、認知症と診断されると免許が取り消される。これが法改正で、事故の有無にかかわらず、1分類全員が診断を義務づけられる。全国で年千数百人だった対象者は5万人に急増する。

 7日付のフォーラム面「認知症と運転」で、警察庁高齢運転者等支援室長が「専門医は全国に1500人ほどおり、対応できると考える」と述べている。認知症の診療実態を知らない意見と言わざるを得ない。

 1分類の高齢者は、認知症だとしても軽度の場合が多く、加齢に伴う物忘れとの違いを正確に診断するのは難しい。診断には普段の患者の様子が重要だが、家族は患者を認知症だと思っていないことが多く、病歴を知るのが難しく診断に困ることが少なくない。診断には、神経心理の詳細な検査や画像診断などで2~3時間かけるが、それでも1割近くは認知症か否かの判断を下せない。また本人は受診に協力的でなく、免許取り消しの可能性を知って帰ってしまい、診断できない例もある。

 専門医が1500人程度いるというが、基礎研究医なども含むから臨床現場にいる専門医の数は減る。豊富な診療経験があるのはさらにその一部で、軽度の認知症を正確に診断できる専門医の数は多くはない。

 多くの「物忘れ外来」で、新規の予約は2~3カ月待ちだ。ここに1分類の新規患者が加われば新患があふれ、早期の診断は望めない。

 警察庁は「専門医でない主治医の診断でも確度が保てるようにする」というが、免許取り消しにつながる診断を専門でない医師が積極的に行うだろうか。認知症と診断されて免許が取り消された患者から、医師が訴訟を起こされる可能性もある。

 健常だと診断した高齢者が事故を起こしクレームが出るのを避けようと、医師がやや物忘れがある程度の高齢者を認知症と診断する過剰診断が増える恐れもある。また、診断に納得しない場合、セカンドオピニオンが有効なのかという点も不明だ。

 運転しないと生活に支障をきたす交通の便の悪い地域ほど、この問題は深刻だが、認知症専門医は都市部に多く、地方の診療態勢は脆弱(ぜいじゃく)だ。

 このままでは混乱は必至だ。抜本策は経験豊富な専門医を増やすことだが、当面、1分類の中でもより認知機能が低い人に受診を限るなど、柔軟な運用を検討してはどうか。

 (かわばたのぶや 認知症専門医・八千代病院〈愛知県〉認知症疾患医療センター長)
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