人工知能、がん治療法助言 国内初か、白血病見抜く 米IBMの「ワトソン」
2016年8月5日 (金)配信共同通信社
膨大な医学論文を学習した人工知能(AI)が、診断が難しい60代の女性患者の白血病を10分ほどで見抜いて、東京大医科学研究所に適切な治療法を助言、女性の回復に貢献していたことが4日、分かった。
使われたのは米国のクイズ番組で人間のチャンピオンを破った米IBMの「ワトソン」。東大は昨年からワトソンを使ったがん診断の研究を始めており、東條有伸(とうじょう・ありのぶ)教授は「AIが患者の救命に役立ったのは国内初ではないか」と話している。他にもがん患者の診断に役立った例があるという。
AIは物事を学習し、考える能力を持つコンピューターのプログラム。チェスや囲碁などで人間に勝つだけでなく、今後は医療への本格応用が進みそうだ。
女性患者は昨年、血液がんの一種である「急性骨髄性白血病」と診断されて医科研に入院。2種類の抗がん剤治療を半年続けたが回復が遅く、敗血症などの危険も出た。そこでがんに関係する女性の遺伝子情報をワトソンに入力すると、急性骨髄性白血病のうち「二次性白血病」というタイプであるとの分析結果が出た。
ワトソンは抗がん剤を別のものに変えるよう提案。女性は数カ月で回復して退院し、現在は通院治療を続けているという。
東大とIBMは昨年から、がん研究に関連する約2千万件の論文をワトソンに学習させ、診断に役立てる臨床研究を行っている。
※人工知能(AI)
物事を学習し、考える能力を持たせたコンピューターのプログラム。1950年代に開発が始まった。最近は大量のデータをAIが自ら学習する新手法が登場し、第3次ブームと言われる。チェスや将棋に続き、「人間の最後のとりで」といわれた囲碁でトップクラスのプロ棋士を破るなど、進化が加速している。医療分野では病気の画像診断に使われるほか、論文や症例などから治療法を探し出すシステムの開発が進んでいる。
2016年8月5日 (金)配信共同通信社
膨大な医学論文を学習した人工知能(AI)が、診断が難しい60代の女性患者の白血病を10分ほどで見抜いて、東京大医科学研究所に適切な治療法を助言、女性の回復に貢献していたことが4日、分かった。
使われたのは米国のクイズ番組で人間のチャンピオンを破った米IBMの「ワトソン」。東大は昨年からワトソンを使ったがん診断の研究を始めており、東條有伸(とうじょう・ありのぶ)教授は「AIが患者の救命に役立ったのは国内初ではないか」と話している。他にもがん患者の診断に役立った例があるという。
AIは物事を学習し、考える能力を持つコンピューターのプログラム。チェスや囲碁などで人間に勝つだけでなく、今後は医療への本格応用が進みそうだ。
女性患者は昨年、血液がんの一種である「急性骨髄性白血病」と診断されて医科研に入院。2種類の抗がん剤治療を半年続けたが回復が遅く、敗血症などの危険も出た。そこでがんに関係する女性の遺伝子情報をワトソンに入力すると、急性骨髄性白血病のうち「二次性白血病」というタイプであるとの分析結果が出た。
ワトソンは抗がん剤を別のものに変えるよう提案。女性は数カ月で回復して退院し、現在は通院治療を続けているという。
東大とIBMは昨年から、がん研究に関連する約2千万件の論文をワトソンに学習させ、診断に役立てる臨床研究を行っている。
※人工知能(AI)
物事を学習し、考える能力を持たせたコンピューターのプログラム。1950年代に開発が始まった。最近は大量のデータをAIが自ら学習する新手法が登場し、第3次ブームと言われる。チェスや将棋に続き、「人間の最後のとりで」といわれた囲碁でトップクラスのプロ棋士を破るなど、進化が加速している。医療分野では病気の画像診断に使われるほか、論文や症例などから治療法を探し出すシステムの開発が進んでいる。