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臨床美術で脳を活性化 くらしナビ・ライフスタイル

2016年08月10日 01時13分03秒 | アート美術演劇等
臨床美術で脳を活性化 くらしナビ・ライフスタイル
2016年8月8日 (月)配信毎日新聞社

 絵や工芸の創作によって脳を活性化し、認知症の進行予防やリハビリ、ストレス軽減などを図る「臨床美術」。20年前に実践が始まり、活動の場を広げている。その取り組みを紹介する。

 ●気持ちを絵で表現

 「最近怒ったのはどんなことですか? 思い出してみてください」。埼玉県伊奈町のデイケア「アール・ブリュ」で、平日午後に開いている臨床美術のワークショップ。職員の棟本幸子さん(49)が呼びかけると、通所者の女性は「80歳になる夫が1人で槍ケ岳に行くと言い出した。私が70歳で大腸がんになるまでは、一緒に登っていたのに」と話し始めた。棟本さんは「じゃあその気持ちに近い色のオイルパステルを選んで。画用紙に線で表現してみましょう」と促した。

 完成した絵は台紙に貼ってサインを入れ、みんなで「作品鑑賞」する。「大地に根を張ったような力強さを感じる」「柔らかいタッチに優しさがにじみ出ていますね」。上手下手を評価せず、それぞれの良いところを見つけて声をかける。「年を取るとできないことが増えていく。ほめられることで自信を取り戻せる」と棟本さんは説明する。脳梗塞(こうそく)で右半身まひになり、6年前から通所する石川政子さん(64)は「最初は言葉がうまく出ずふさぎがちだったが、週1回通い続けるうちに気持ちを口にできるようになった」と話す。

 ●認知症向けに考案

 臨床美術は彫刻家の故・金子健二さんが、医師とカウンセラーとともに認知症患者向けに考案。1996年に同県大宮市(現さいたま市)の病院で実践を始めた。過去を思い出す「回想法」、現状を認識する「リアリティー・オリエンテーション」といった認知症に効果があるとされる手法を、図画工作の中に組み込んだプログラムだ。

 考案に携わった木村伸医師(60)は「当時は認知症の薬が国内で認可されておらず、精神科に行っても追い返される患者が多かった。在宅でできる方法はないかと考えたのがきっかけ」と振り返る。認知症やリハビリには音楽療法や運動療法も効果的とされているが「脳は刺激の直後は活性化されるが、すぐ元に戻るので、定期的に継続することが重要になる。場所を選ばず誰にでもできるのが臨床美術の利点」だという。

 木村医師は2003年に伊奈町のクリニックに「アール・ブリュ」を併設し、06年からデイケアに取り入れた。通所者が制作した作品を集めて年に1回、展覧会も開いている。「認知症や病気を直接治すものではないが、進行を少しでも遅らせ、人生を意欲的に過ごすための一助になれば」と期待する。

 ●普及へ資格認定

 臨床美術を普及するため、金子さんらは96年に「芸術造形研究所」(東京都千代田区)を設立。翌年から「臨床美術士」の養成講座を開き、資格認定を始めた。現在約2000人の臨床美術士が全国におり、子どもの情操教育や社会人のメンタルヘルスケアなど、活用の場を広げている。 12年前に資格を取得した高橋文子さん(49)は児童養護施設や企業の新人研修など、50カ所以上でワークショップを開いてきた。「前向きな発言が増えたり、表情が明るくなったりする参加者は多い。その人の力で最後まで完成できるよう手助けするのが臨床美術士の役割で、絵心はなくてもよい」と話す。

 プログラムは約600あり、「いつもと違う視点から物を見るよう促し、五感を使うことで右脳に働きかけるのが目的」という。例えば「ニンジンのネガポジ画」というプログラムでは、最初にニンジンに対するイメージを参加者に尋ねる。ニンジンを触ったり包丁で切って食べたりして、匂いや味を確かめてから制作に取りかかる。

 研究所では、一般の人が臨床美術を体験できる教室も開いている。教室に参加したケアワーカーの田中みさよさん(26)は「同じものを見ても出来上がりは三者三様で、人それぞれの感じ方を尊重することにつながる。福祉の仕事に生かしたい」と話していた。【野村房代】
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「象徴の務め困難に」天皇陛下、生前退位を示唆

2016年08月10日 00時31分50秒 | 
「象徴の務め困難に」天皇陛下、生前退位を示唆
2016年8月8日 (月)配信読売新聞

 天皇陛下は8日午後3時から、国民に向けたビデオメッセージで「高齢になった天皇の望ましい在り方」についての考えを発表された。

 数年前から、体力の低下を覚え、これから先の身の処し方を考えるようになったとして、「今後、象徴としての務めを果たすことが難しくなる」と述べ、「終身天皇」を前提とした制度の問題点を挙げながら「生前退位」の意向を示唆された。政府は陛下のお言葉を受け、安倍首相がコメントを発表する予定。

 ビデオでは、天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えるとしたうえで、約10分間にわたり、個人的な考えを述べられた。

 陛下は即位からの28年間を振り返るなかで「人々の傍らに立ち、声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切」と天皇観を語られた。だが、2003年に前立腺、12年に心臓の手術を受け、80歳を過ぎ、「全身全霊をもって象徴の務めを果たすことが難しくなるのではないか」と案じられている。

 陛下に配慮した公務の削減について「象徴としての行為を限りなく縮小していくには無理がある」と述べ、国事行為を代行する摂政を置く場合も「天皇の務めを果たせぬまま、生涯天皇であり続けることに変わりはない」との考えを示された。

 また、天皇の崩御とともに皇位が継承されるいまの制度で、天皇が健康を損なうと国民の暮らしに影響が及ぶことや、葬儀と即位の行事が同時に進み「残される家族が厳しい状況下に置かれる事態」を避けたいとの気持ちも明かされた。

 最後に、お言葉を発表した理由について「象徴天皇の務めが途切れることなく、安定的に続いていくことを念じ、気持ちを話した」と説明。国民の理解を得られることを「切に願っている」と締めくくられた。
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【茨城】ストーカー防止 加害者の治療支援 県警、医療団体と協定

2016年08月10日 00時20分42秒 | 医療情報
【茨城】ストーカー防止 加害者の治療支援 県警、医療団体と協定
2016年8月8日 (月)配信毎日新聞社

 ストーカー被害の再発を防ごうと、県警が加害者側の治療支援を始めた。県内では昨年1年間のストーカー相談件数が過去最多を記録。被害者だけでなく、加害者側の支援を行うことで、重大事件への発展を防ぎたい考えだ。

 県警人身安全対策課によると、県内の2015年のストーカー認知件数は前年比95件増の475件。ストーカー規制法が施行された2000年以降最多だった。認知した475件は検挙67件▽文書警告186件▽口頭による指導警告172件▽県公安委員会からの禁止命令13件(重複あり)などに発展した。

 県警が行う支援はこれまで被害者側が中心だった。14年に女性専用相談電話(029・301・8107)を開設し、24時間体制で女性警察官が相談に応じてきた。今年4月には担当する人身安全対策課の人員を前年比3人増員し、44人体制にした。

 こうした対応にもかかわらず被害は後を絶たない。このため今年度から加害者側へのアプローチを始めた。検挙した中で「悪質性が高く再犯の可能性がある」と判断した場合、最寄りの診療所を紹介。更生を目指すプログラムの受診を促す。

 5月には県内の精神科医が所属する3団体と「加害者に対する精神医学的治療に関する覚書」を調印した。外部の団体とこうした枠組みを作るのは全国初の試みで、すでに一部の加害者は治療を始めている。

 鈴木三男本部長は「ストーカー事案では被害の防止が一番の課題。重大事件に発展する場合があるので、しっかりと取り組んでいきたい」と話している。【加藤栄、川崎健】
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【鳥取】闘病記文庫 リニューアル

2016年08月10日 00時14分20秒 | 医療情報
【鳥取】闘病記文庫 リニューアル
2016年8月8日 (月)配信読売新聞

◇県立図書館に開設10年

 県立図書館(鳥取市尚徳町)の「闘病記文庫」が7月、開設から10年を迎えた。病気と闘う人やその家族らが体験をつづった本や、治療法などに関する書籍約800冊を集めた書架で、10周年を機に、がんに関する本を100冊以上増やすなどさらに充実させて刷新した。担当者は「つらい思いをしている人たちの心の支えになれば」と話している。(古賀愛子)

 1階奥の「医療・健康情報コーナー」の横にあり、闘病記を〈1〉がん〈2〉認知症〈3〉うつ〈4〉その他の病気〈5〉子どもの病気〈6〉介護――に分けて並べている。書庫内の約800冊と合わせると、蔵書は約1600冊。毎月150冊前後の貸し出しがあるという。

 開設は2006年7月。医療やエッセーなど様々なコーナーに分散して置かれていた約900冊を、1か所に集めて探しやすくした。病気の人や家族の中には、本探しについて職員に相談しづらい人が多いことにも配慮した。闘病記は自費出版が多いため、専門の古書店などで情報収集して購入してきたほか、館内の図書をさらに集め、蔵書を少しずつ増やしてきた。

 同館によると、利用者から感謝の声が聞かれることもあるという。脳出血で入院経験のある男性からは「退院後、不安な毎日を送っていたが、同じ病気の人が書いた闘病記を読んで気持ちが楽になった」、看護師の女性からは「患者の気持ちを知る手がかりになった」という感想が寄せられた。

 10周年を迎えた先月、がんに関する本をさらに充実させた。医療費や闘病中の食事、治療後の就職活動などに関する解説書56冊を加え、闘病記も60冊増やした。

 また、医療費の仕組みや薬、治療中のメイク、治療に伴う脱毛、乳がん手術後の下着などに関する冊子計約30種類も置いた。無料でもらえるものもある。県内の病院図書室を職員が見学するなどして、患者に役立ちそうなものを探し、発行元から取り寄せた。

 リニューアル後、貸し出し数は急増し、7月は計191冊に達した。同館司書の佐伯真由佳さん(35)は「できるだけ新しく、多様な情報に触れてもらえるよう、新刊情報や利用者の要望についてチェックし、古い本は書庫に回すなどしている。気軽に足を運べ、必要な情報に出合ってもらえる場所にしたい」と話している。
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人工知能、白血病患者救う…10分で遺伝子解析、東大医科研導入

2016年08月10日 00時00分48秒 | 医療情報
人工知能、白血病患者救う…10分で遺伝子解析、東大医科研導入
2016年8月8日 (月)配信読売新聞

 東京大学医科学研究所が導入した人工知能(AI)が、白血病患者の特殊なタイプの遺伝子を10分で見つけ、治療に役立てていたことが分かった。

 人工知能が患者の治療に貢献した国内初のケースで、がんなど医療分野での応用につながると期待される。

 同研究所は昨年7月、米IBM社の人工知能「ワトソン」に、2000万件以上の生命科学の論文、1500万件以上の薬剤関連の情報を学習させ、がん患者の発病に関わる遺伝子や治療薬の候補を提示させる臨床研究を始めた。

 「急性骨髄性白血病」の患者で、標準的な抗がん剤治療が合わないとみられた60歳代の女性の遺伝子情報を入力したところ、わずか10分で分析結果が示され、「二次性白血病」という特殊なタイプであることが分かった。医師の判断で女性は治療薬を変更し、数か月で回復、退院した。

 ワトソンは、今年3月までに、この女性を含め計41人の診断や治療で有用な情報を提示。同研究所病院副院長の東條有伸医師(血液腫瘍内科)は、「人の手なら2週間はかかる作業。今後のがん治療では膨大な遺伝子情報の分析が重要になるため、大きな成果」と話している。
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