動機納得できず、遺族無念 前見つめうなずく被告
2018年12月6日 (木)配信共同通信社
「被告に聞きたいことは聞けなかった」。4日、千葉県印西市の老人ホーム元職員の准看護師波田野愛子(はたの・あいこ)被告(72)に殺人罪などの有罪を認定した睡眠導入剤混入事件の千葉地裁判決。真相解明を願って千葉地裁に通った遺族や同僚職員らは、納得のいく動機が説明されなかったことを残念がった。
審理で4人への導入剤混入を認めて「やったことは申し訳なく反省している」と述べ、「嫌がらせをしようとしただけ」と一貫して殺意を否認していた被告。この日は発言の機会がなく、裁判長に促されて着席すると真っすぐ前を見つめ、5人への殺意を次々と認定する裁判長の言葉を身じろぎせずに時折うなずきながら聞いていた。
閉廷後は遺族や関係者らがそれぞれ記者会見。山岡恵子(やまおか・けいこ)さん=当時(60)=と同じ施設に勤めていた次男(37)は被告が法廷で数々の質問に「分かりません」と繰り返したことに不満を示し「聞きたかったことは聞けていない」ともどかしさを口にした。
一緒に暮らしていた自宅は山岡さんが最後に出勤した当時のままにしているといい、「手を付けると母が生活をしていた感じが消えてしまう気がする。喪失感はこれからもなくなることはない」と無念そうだった。「判決は一区切り。母に報告したい」とも話した。
施設長の寺田洋介(てらだ・ようすけ)さん(46)は「自身が起こしたことにしっかり向き合ってほしい」と訴えた。
一方、裁判員らの会見では、千葉県市川市の会社員石川美高(いしかわ・よしたか)さん(21)が法廷での被告の印象を「反省の意を聞かれても答えられず、反省の色はあまりうかがえなかった」と振り返った。
2018年12月6日 (木)配信共同通信社
「被告に聞きたいことは聞けなかった」。4日、千葉県印西市の老人ホーム元職員の准看護師波田野愛子(はたの・あいこ)被告(72)に殺人罪などの有罪を認定した睡眠導入剤混入事件の千葉地裁判決。真相解明を願って千葉地裁に通った遺族や同僚職員らは、納得のいく動機が説明されなかったことを残念がった。
審理で4人への導入剤混入を認めて「やったことは申し訳なく反省している」と述べ、「嫌がらせをしようとしただけ」と一貫して殺意を否認していた被告。この日は発言の機会がなく、裁判長に促されて着席すると真っすぐ前を見つめ、5人への殺意を次々と認定する裁判長の言葉を身じろぎせずに時折うなずきながら聞いていた。
閉廷後は遺族や関係者らがそれぞれ記者会見。山岡恵子(やまおか・けいこ)さん=当時(60)=と同じ施設に勤めていた次男(37)は被告が法廷で数々の質問に「分かりません」と繰り返したことに不満を示し「聞きたかったことは聞けていない」ともどかしさを口にした。
一緒に暮らしていた自宅は山岡さんが最後に出勤した当時のままにしているといい、「手を付けると母が生活をしていた感じが消えてしまう気がする。喪失感はこれからもなくなることはない」と無念そうだった。「判決は一区切り。母に報告したい」とも話した。
施設長の寺田洋介(てらだ・ようすけ)さん(46)は「自身が起こしたことにしっかり向き合ってほしい」と訴えた。
一方、裁判員らの会見では、千葉県市川市の会社員石川美高(いしかわ・よしたか)さん(21)が法廷での被告の印象を「反省の意を聞かれても答えられず、反省の色はあまりうかがえなかった」と振り返った。