入居者9割ワクチン接種の米介護施設、未接種の職員1人から集団感染
【AFP=時事】米ケンタッキー州の介護施設で、入居者の9割が新型コロナウイルスのワクチン接種を受けていたにもかかわらず、未接種の職員1人から集団感染が起き、接種済みの入居者・職員を含む46人が感染、3人が死亡していたことが分かった。
調査報告書を21日に発表した米疾病対策センター(CDC)は、広範なワクチン接種と感染防止策がいかに重要かをはっきり示す事例だと強調している。
この介護施設で集団感染が発生したのは先月。当時、入居者83人のワクチン接種率は90%に達していたが、職員116人のうち接種を済ませていたのは半数にとどまっていた。
感染した46人中、22人はワクチン接種を完了した入居者と職員だった。死亡した3人は入居者で、うち2人がワクチン未接種だった。
感染源となったのは新型コロナの症状が出た職員1人で、ワクチンは接種していなかった。この職員からは「R.1系統」の変異株が検出された。CDCはこの変異株について、「現時点では懸念・注目すべき変異株とみてはいない」と報告している。
報告書は今回の集団感染ではワクチンに高い発症予防効果があることが確認できたと述べる一方、ワクチンの限界も指摘した。 「この事例は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した人も含め、すべての人がワクチン接種を受けることの重要性を浮き彫りにした」と報告書は強調。「接種済みの人たちの間でも引き続き感染予防策を重視していくことが不可欠だ」と述べている。【翻訳編集】 AFPBB News