邑南町 職員採用試験申込書から性別欄を撤廃
性別にとらわれず多様な人材を募集しようと、邑南町は、今年度の職員採用試験の申込書から性別欄を撤廃することを決めました。
邑南町の職員採用試験の申込書には、これまで性別欄が設けられていましたが、今年度から撤廃することになりました。
その理由について町では、性別欄があることで応募をためらう人をなくすとともに、性別にとらわれず、個人の能力を見て多様な人材を募りたいとしています。
邑南町の職員採用試験を受けるには、ウェブか手書きの申込書の郵送かの2つの方法がありますが、どちらからも性別欄をなくすということです。
履歴書などの性別欄をめぐっては、厚生労働省が先月、男女の選択肢を入れず、その代わりに「記載は任意」や「未記載とすることも可能」などとする書類の様式例を示しています。
県内の自治体では浜田市や雲南市ですでに性別欄が撤廃されているほか、少なくとも5つの自治体でも今後、様式の変更を検討しているということです。
邑南町総務課の大田真司課長補佐は「LGBTQの人への配慮が根底にあり、性別関係なく受験生の人間性を重視して採用を行いたい。性別をめぐっては、ほかにも改善すべきところがあるが、これをきっかけにひとつずつ改善していきたい」と話していました。
採用試験の申込書の性別欄について、NHKでは島根県と県内すべての市町村の合わせて20の自治体にアンケートを行い、17の自治体から回答を得ました。
それによりますと、「性別欄がある」と回答したのが14の自治体、「性別欄がない」と回答したのが3つの自治体でした。
このうち、「性別欄がある」と回答した自治体に撤廃を含めた様式の変更を検討しているか尋ねたところ、5つの自治体が「検討している」、9つの自治体が「検討していない」と回答しました。
「検討していない」という理由については、「記述式の性別欄のため、空欄のまま提出しても対応しているから」とか、「性別欄があることによる苦情や相談がないため」などとしています。
また、ほとんどの自治体が「国などから女性活躍などの統計を求められたときに対応できない」と回答しました。
一方、「性別欄がない」と回答した自治体では、そう決めた経緯について、「トランスジェンダーへの配慮が根底にある」とか「全国的な動きを見て対応した」などと回答しています。