オミクロン株、既存ワクチンの効果疑う理由なし WHO
2021年12月8日 (水)配信AFPBB News
【AFP=時事】世界保健機関(WHO)のナンバー2に当たるマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は7日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」について、これまでの変異株よりも重篤な症状を引き起こすとは思われず、ワクチン接種で得られる免疫を完全に回避する可能性は「非常に低い」とAFPに語った。
WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏はAFPのインタビューに応じ、オミクロン株については未解明な点が多いが、これまでに得られたデータでは、従来の変異株より重症化しにくいことが示されていると述べた。
さらに、オミクロン株が既存ワクチンによって得られた免疫を完全に回避する兆候はないと説明。「重症化や入院治療(を防ぐ)という点では、これまでの全変異株に有効だと証明されている非常に効果的なワクチンがある」として、「オミクロン株に効果がないと考える理由はない」と述べた。
新型ウイルスの表面には、細胞への侵入を可能にするタンパク質の突起(スパイクタンパク質)があるが、オミクロン株はこのスパイクタンパク質に30か所以上の変異がある。
ライアン氏はオミクロン株について、既存のワクチンの効果が低くなる可能性は認めたが、ワクチンがまったく効かない可能性は「非常に低い」と述べた。