接種率6割以上3県どまり 高齢者3回目、2月末時点
政府は1日、新型コロナウイルスワクチンについて、2月28日までに3回目を打った65歳以上の高齢者の割合(接種率)を都道府県別に公表した。各都道府県の高齢者人口に占める接種率が6割以上となったのは3県にとどまり、5割以上も23都県。高齢者全体で見ると、3回目を打ち終えたのは51・7%だった。重症化リスクの高い高齢者への接種は、政府想定より遅れているようだ。
デジタル庁のワクチン接種記録システム(VRS)によると、接種率が最も高いのは岐阜県の67・0%。県担当者は「市町村に毎週進捗(しんちょく)状況を報告してもらい、遅れがあれば助言した」と話す。愛知県が63・1%、佐賀県が62・4%で続いた。秋田県や新潟県など雪が多い地域の接種率は低かった。
政府は2月末までに高齢者約2893万人が接種すると見込んでいた。このうち打ったのは約1848万人で、接種率は63・9%。松野博一官房長官は3月1日の記者会見で、高齢者の3回目接種の現状に関し「接種記録は後日報告される分もあり、正確な把握には一定期間を要する。状況を注視したい」と述べるにとどめた。
ワクチンを巡り、堀内詔子ワクチン接種推進担当相は1日の会見で、新たに米ファイザー製約800万回分を4月に追加供給すると発表。これによりファイザー製の供給量は計約5870万回分となり、既に発表されているモデルナ製計約5750万回分とほぼ同量となる。